キャンプ飯のバリエーションを増やす方法のひとつは、調理道具を変えることです。
たとえばホットサンドメーカーを持って行けば、フライパンの役割も担ってくれます。
この記事では、ホットサンドメーカーがキャンプに適している理由と具体的な活用方法、おすすめの商品を紹介します。
ホットサンドメーカーとは
ホットサンドメーカーとは、本来ホットサンド(食パンに具材を挟んで焼いたものや、焼いた食パンに具材を挟んだもの)を作るための道具です。
たとえばクロックムッシュ(パンにハムとチーズ、ベシャメルソースを挟んで、表面にチーズを振りかけて焼く料理)などを作れます。
ホットサンドメーカーは四角形で、底が浅いミニフライパンを2枚合わせたような形状をしているのが特徴です。
似たような外観で、内側に格子模様の凹凸が入ったタイプは、ワッフルを焼く専用の道具「ワッフルメーカー」です。
最近は、ワッフル用のプレートが付属したホットサンドメーカーも販売されています。
少量の料理ならホットサンボメーカーをフライパン代わりにも使用できるため、キャンプ用の調理器具としても高い人気があります。
キャンプなら直火式がおすすめ
ホットサンドメーカーは、大きく分けると電気式と直火式の2タイプです。
キャンプなどのアウトドアに持って行くなら、電源を必要としない直火式がおすすめです。
ポータブルバッテリーを持って行くなら電気式も使えますが、そもそも電気式のホットサンドメーカー自体がかさばりやすいため、アウトドアでの使用には適していません。
薄くてコンパクトな直火式のほうが使い勝手は良く、キャンプならではの雰囲気を楽しめます。
直火式ホットサンドメーカーのメリットとデメリット
直火式ホットサンドメーカーは利便性が高い一方、メリットのみならずデメリットもあります。
ホットサンドメーカーをキャンプに持参するか迷っている方は、まずメリットとデメリットの両方を理解したうえで、自分に合っているか検討することが大切です。
人によっては、メスティンなどほかの調理器具のみで十分な場合もあります。
ここでは、直火式ホットサンドメーカーをキャンプで使用するメリット・デメリットを解説します。
直火式のメリット
直火式ホットサンドメーカーは、下記のメリットがあります。
・持ち運びやすい
・電源がいらない
・焚火でも調理できる
・自宅のガスレンジでも使える
・高火力でしっかり焼ける
・洗いやすい
薄くてシンプルな構造は軽量で持ち運びやすく、キャンプの荷物に加えてもかさばりません。
電源がいらないので、ポータブルバッテリーの残量を気にせずに済みます。
キャンプ場ではコンロのほかに焚火で調理でき、自宅のガスレンジでも使用できるので、日常使いできます。
また、直火で調理する分、電気式に比べると高火力でしっかりと焼き目をつけられることもメリットです。
裏返して、上下をまんべんなく加熱できます。
電源がないので、構造を気にせず隅々まで洗えます。
中には分解できるタイプもあり、つなぎ目部分の汚れが気になる方でも安心して活用できます。
直火式のデメリット
直火式ホットサンドメーカーのデメリットは、下記のとおりです。
・火の調節が必要
・途中で上下を引っ繰り返す必要がある
・IH非対応タイプもある
・電気式に比べると焼き色にムラが出やすい
直火式は火の調節や、途中で上下を引っ繰り返す必要があるため、ほかの作業と同時進行する「ながら調理」が困難です。
中にはIH非対応タイプもあり、IHコンロの家・オール電化の家では使えず、キャンプ専用アイテムとなる可能性があります。
焼き色も、調理する方の技量によって大きく異なる部分です。
焼き色にムラができ、慣れないうちは焦がさないように注意が必要です。
キャンプ時のホットサンドメーカーの使い方
ホットサンドメーカーが1つあると、さまざまな調理方法が楽しめます。
荷物を最小限に抑えつつ、キャンプ飯のバリエーションを増やしたい方におすすめのアイテムです。
どんな活用方法があるのか、ここではホットサンドメーカーの具体的な使い方を3種類解説します。
挟んで両面を焼く
もっとも基本的な活用方法は、食材を挟んで両面焼きすることです。
ホットサンド以外にもナンやカマンベールチーズなど、さまざまな食材で挟み焼きを楽しめます。
通常のフライパンでは引っ繰り返しにくい柔らかい食材も、ホットサンドメーカーごと引っ繰り返すので両面を焼きやすいメリットがあります。
たとえばパンの代わりにご飯を薄く敷いて具材を入れた、焼きおにぎり(おにぎらず)もできます。
崩れやすい魚の切り身も、きれいな状態で引っ繰り返せます。
揚げ焼きする
ホットサンドメーカーの面積は食パン半分~1枚分、ダブルサイズでも最大2枚分までと小さめです。
フライパンや揚げ物用鍋よりも、少ない油で揚げ焼きしたいときに便利です。
ホットサンドメーカーなら、わずかな量の油でも、食材を入れれば十分な深さになります。
蒸し焼きする
密閉できるホットサンドメーカーは、蒸し焼きにもおすすめです。
水分の多い食材を使えば、食材の水分だけで蒸し焼きできるので、貴重な水を節約できます。
蒸し焼きのメリットは、焼くよりも食材がふっくらと仕上がることです。
ボイルしたときのように栄養が染み出てしまうこともないので、食材の旨味や栄養を食べやすい状態で摂取できます。
野菜のほか、肉や魚の蒸し料理もおいしく仕上がります。
ホットサンドメーカーの選び方
ホットサンドメーカーは、アウトドアブランドや調理器具メーカーなど、多くの企業が販売しています。
キャンプ用にホットサンドメーカーを購入するときは、屋外での使用に適したものを選びましょう。
ここでは、キャンプ用のホットサンドメーカーを購入するとき、重視すべきポイントを7つ解説します。
サイズで選ぶ
ホットサンドメーカーの大きさは、ハーフサイズ、シングルサイズ、ダブルサイズの3種類です。
・ハーフサイズ:食パン1枚を半分に折るようにプレスするタイプ
・シングルサイズ:食パン2枚で真ん中に具材を挟んで焼くタイプ
・ダブルサイズ:シングルサイズを2個同時に作れるタイプ
ソロキャンプや2人キャンプなら、シングルサイズで十分でしょう。
ハーフサイズは、ホットサンド以外の料理で使用するときに入れられる食材が限られるので、注意が必要です。
フライパンとしても使用するつもりなら、シングルサイズがおすすめです。
ダブルサイズは、ファミリーやグループなど大人数向きです。
一度に大量の調理ができるメリットがありつつも、ソロキャンプだと荷物がかさばるので向いていません。
横幅のサイズのみならず、深底で厚切り食パンをサンドできるホットサンドメーカーもあります。
どんな料理をしたいのかも参考にしつつ、自分に合ったサイズを選びましょう。
仕切りの有無で選ぶ
ホットサンドメーカーには、中央に仕切りが入っているものと、入っていないものがあります。
仕切りは真横または縦に入っているタイプのほか、斜めに入って三角形のホットサンドに仕上げられるタイプもあるので、好みの形状を選びましょう。
仕切りがあるメリットは、焼きあがった後にホットサンドを2つに割りやすいことです。
フライパンとして使う場合も、仕切りがあると片方で目玉焼きを作りつつ反対側でソーセージを焼く、など同時調理できるのでタイパ重視の方にもおすすめです。
ただし、料理によっては仕切りがかえって邪魔になることもあります。
サイズや深さを見るときと同じく、用途(1人で使う、2人で使う)や主にどんな料理を作りたいのかで考えると自分に合ったタイプが見つかります。
パンの耳をプレスできるかで選ぶ
ホットサンドメーカーには、内側の端のほうが狭くなった、パンの耳をプレスできるタイプもあります。
カリカリした食感が好きな方や、ホットサンドを主に作りたい方は、プレスできるタイプがおすすめです。
端を閉じるので、多くの具材を入れてもこぼしにくい点もプレスタイプのメリットです。
焼き目のつき方で選ぶ
内側がフラットになったもののほか、ロゴやメッセージ、キャラクター、焼き目模様などが入るタイプもあります。
シンプルな焼き目も良いですが、ファミリーやカップル、グループで使う機会もあるなら、焼き目の出方にもこだわってみてはいかがでしょうか。
おしゃれな仕上がりのホットサンドにしたいなら、ブランドロゴやキャラクターなどの焼き目がつくタイプのほうが、SNS映えにもなるのでおすすめです。
フッ素樹脂コーティングの有無で選ぶ
キャンプ場などアウトドアで使う場合、片付けのしやすいものが便利です。
たとえば食材がこびりつきやすいタイプは、洗浄に多くの水や洗剤を使ったり、時間がかかったりするので、次第に使わなくなるおそれがあります。
現在販売されているホットサンドメーカーは、基本的にはフッ素樹脂などでコーティングされたものがほとんどでありつつも、中には無加工タイプもあるので注意が必要です。
コーティングされたもののほうが焦げがこびりつきにくく、お手入れが楽です。
また、IHコンロのある自宅でも使用する場合は、IH対応かどうかも必ず確認しましょう。
分離できるかどうかで選ぶ
ホットサンドメーカーは2つに分離できるタイプもある一方で、できないタイプもあります。
電気式はもちろん、直火式の中にも分離できないタイプがあるので、購入時の確認が大切です。
フライパンとして使用する可能性もあるなら、分離できるタイプのほうが使い勝手が良くなります。
洗うときも、分離タイプなら接続部分まで洗えて清潔を保ちやすいメリットがあります。
携行性の良さで選ぶ
ソロキャンプやバックパックキャンプなど、荷物量を少しでも減らしたいなら、携行性も重視すべきです。
たとえば分離でき、取っ手も取り外しできるタイプなら、コンパクトに収納できます。
サイズ面はもちろん、収納袋など持ち運びやすいオプションつきのものを選ぶと便利です。
キャンプにおすすめのホットサンドメーカー6選
ホットサンドメーカーをキャンプに持って行くなら、荷物にならないサイズで収納しやすいものを選びましょう。
フッ素樹脂やシリコンなどのノンスティック加工が施されたものなら、食材がこびりつきにくいので、キャンプ場でも手軽に後片付けできます。
ここでは、キャンプにおすすめのホットサンドメーカーを6種類紹介します。
コールマン(Coleman) :ホットサンドイッチクッカー
サイズ(横×縦×厚さ) | 約13.5cm×40cm×3.8cm |
重量 | 約550g |
材質 | アルミニウム |
中央に仕切りがあり、パンの耳をプレスできるタイプです。
深めの仕切りは材料を入れてホットサンドメーカーを閉じるだけでパンを2等分してくれるので、1人分はもちろん一度に2人分を作りたいときにも便利です。
中央にはコールマンのランタンマークが焼き色で入り、キャンプ気分を盛り上げてくれます。
ハンドル部分は取り外し可能かつ収納ケースつきなので、コンパクトに持ち運べます。
ノンスティック加工が施されており、食材がこびりつきにくい仕様です。
岩谷産業:カセットこんろ専用ホットサンドグリル
サイズ(横×縦×厚さ) | 約14.1cm×35.4cm×5cm |
重量 | 約570g |
材質 | アルミニウムダイカスト |
カセットコンロで有名なメーカーが、自社製品と組み合わせて使用するために開発したホットサンドメーカーです。
カセットコンロ専用として設計されたので、家庭用カセットコンロの五徳部分にジャストフィットする形状をしています。
直火式なので、もちろんカセットコンロ以外にもガスレンジやキャンプ時の焚火、バーナーでも使えます。
内側は片面が波型、反対面がフラット型になっているので、肉焼き用のフライパンとしても使いやすいのが特徴です。
フッ素樹脂加工により、食材がこびりつきにくくなっています。
ロゴス(LOGOS):ホットサンドパン-BA
サイズ(横×縦×厚さ) | 約12cm×36cm×3.5cm |
重量 | 約490g |
材質 | アルミ、スチール |
人気アウトドアメーカーの、耳をプレスできるタイプのホットサンドメーカーです。
耳をカットしたパンでも使用できるので、耳が苦手な方にも適しています。
ロゴスのロゴが焼き色で入る仕様は、ブランドファンやおしゃれなホットサンドを楽しみたい方におすすめです。
仕切りありタイプで、ホットサンドはもちろん、同時調理できるフライパンとしての活用もできます。
表面にはシリコン樹脂コーティングが施されており、食材がこびりつきにくいので、お手入れも簡単です。
スモア(S’more):【 スモアサンド 】ホットサンドメーカー
サイズ(横×縦×厚さ) | 約13cm×38cm×3cm |
重量 | 約380g |
材質 | アルミニウム合金 |
耳をプレスできるタイプで、表面にはスモアのマークが焼き色でつきます。
お菓子のスモアのイラストはホットサンドの仕上がりを可愛くしてくれるので、男性のソロキャンプのみならず、ファミリーでのキャンプや女性キャンパーにもおすすめです。
収納袋つきでハンドルの取り外しも可能と、コンパクトに持ち運べる特性は、荷物を最小限に抑えたいソロキャンプに適しています。
収納袋は厚みのあるふわふわなキルティング生地を使用しており、ちょっとした鍋掴みにもなります。
表面はフッ素樹脂加工で、食材がこびりつきにくい使いやすさも魅力です。
パール金属:おやつDEっSEⅡ ふっ素加工ホットサンドトースター
サイズ(横×縦×厚さ) | 約15cm×35.5cm×3cm |
重量 | 約345g |
材質 | アルミニウム合金 |
フッ素樹脂加工を施しているので、食材がこびりつきにくく、キャンプ場でも手軽に後片付けできます。
耳をプレスできるタイプで、たっぷりの具材を挟めます。
「おやつDEっSEⅡ ふっ素加工ホットサンドトースター」ならではの特徴は、IH対応となっていることです。
ガスコンロはもちろん、IHコンロの自宅でも日常使いできます。
同シリーズで一度に2個焼けるダブルサイズ(ツインタイプ)もあり、人数に合わせて購入できます。
スケーター(Skater):ホットサンドメーカー ピカチュウ
サイズ(横×縦×厚さ) | 約14cm×35.7cm×3.5cm |
重量 | 約525g |
材質 | アルミ |
キャラクターのキッチン用品を多く手掛けているメーカーの、人気商品です。
幅広い世代に人気のキャラクターが焼き色として現れるので、可愛い仕上がりになります。
ソロはもちろん、子どもがいるファミリーやグループでのキャンプでも、可愛いホットサンドが食事を華やかに彩ってくれます。
耳をプレスできるタイプなので、中にたっぷりの具材を入れたい派の方にもおすすめです。
フッ素樹脂塗装なので汚れがこびりつきにくく、お手入れも楽にできます。
まとめ
ホットサンドメーカーはさまざまなタイプが販売されており、パンの耳を閉じられるタイプもあれば、1枚のパンを折り畳むようにして焼くタイプもあります。
中にはブランドロゴや可愛いキャラクターが焼き色で入るホットサンドメーカーもあるので、自分好みのデザインの商品を探してみてはいかがでしょうか。
ホットサンドメーカーはパンのほかにも、フライパン代わりとして卵やソーセージ、野菜など幅広い食材の調理に向いています。
荷物になる調理道具は増やしたくないが、キャンプ飯のバリエーションは増やしたいと考えている方は、フライパンの代わりにホットサンドメーカーを荷物に加えることをおすすめします。