【米好きにおすすめ】キャンプで羽釜を使うメリット

キャンプでご飯モノを食べたいときは家から炊いたものを持参するか、お店で購入する方法が手軽ですが、米好きの方なら現地で炊きたてを食べたいのではないでしょうか。

キャンプ場で米を炊く方法は複数あり、近年は少人数用の羽釜を使用するスタイルも人気です。

この記事では、キャンプで羽釜を使用するとおいしく感じる理由と、基本的な使い方を紹介します。

スポンサーリンク

キャンプのご飯をおいしくする調理器具

キャンプでお米を炊く場合、主な方法として下記の6つがあげられます。

  • 飯盒
  • ライスクッカー
  • 羽釜
  • 耐熱袋

それぞれどのようなメリットや注意点があるのか、解説します。

飯盒で米を炊く

1つ目は、飯盒(はんごう)を使って米を炊く方法です。

キャンプで米を炊くときの定番アイテムが、飯盒(はんごう)と呼ばれる鍋です。

一般的には、だいたい4合まで炊けます。

飯盒は蓋を使って計量もできるうえ、内蓋の圧力によっておいしく炊けるメリットがあります。

飯盒の形状は、下記のとおり2種類です。

  • 兵式飯盒:ソラマメの形
  • 丸型飯盒:丸型

兵式飯盒は、上から見るとソラマメのような形をしたタイプで、軽量なのが特徴です。

丸型飯盒は曲げわっぱの弁当箱のように丸型で、安定しているため、バーナーやコンロで使いやすい形状です。

また、丸型飯盒は熱ムラが起こりにくい点もメリットです。

飯盒を使用すると内蓋によって圧力がかかり、中の米を高温で炊けます。

高温でしっかりと米を炊ける分、仕上がりがふっくらとなるのが魅力です。

ライスクッカーで米を炊く

2つ目は、アウトドアのための調理器具(鍋)を使って炊く方法です。

炊飯向けのキャンプ調理器具として、ライスクッカーが販売されています。

ライスクッカーは飯盒や通常の鍋よりも厚めに作られており、炊飯に適しているのが特徴です。

加熱時の噴きこぼれや熱ムラを防げるタイプも多く、短時間でおいしく炊きあがります。

軽量でコゲつきにくいので、初心者のキャンプにもおすすめです。

底が深めなので、米を炊かないときは煮込み料理にも使えます。

鍋型のほか、メスティンもライスクッカーに分類されます。

鍋で米を炊く

3つ目は、ダッチオーブンや土鍋などを使用して炊く方法です。

  • ダッチオーブン:蓋付きの鋳鉄鍋
  • 土鍋:家庭で使用している普通の土鍋

ダッチオーブンは厚みがあり、熱が均一に伝わるのが特徴です。

炭の上に直接置いたり、ダッチオーブンの上に炭を乗せたりできるため、上下からオーブンのように加熱できるメリットがあります。

しっかりと密閉されるので水が必要以上に逃げにくく、噴きこぼれが起きにくい構造です。

圧力鍋のような効果が期待できる一方で、全体的に重量があるので荷物の軽量化を重視する方には向いていません。

また、使い始めにシーズニング(製造時の油分などを抜く下準備)が必要だったり、使用後はお手入れが必要だったりと扱いが面倒なのがデメリットといえます。

土鍋は、家庭で一般的に使用するタイプの鍋と同じものです。

最近はひとり用サイズもあるので、土鍋もキャンプに持参しやすくなりました。

全体にゆっくりと火が入るので、お米が一粒一粒立ち、おいしく炊けるのが土鍋のメリットです。

炊飯時間が長くなるデメリットもあるので、キャンプ場で料理をしながらゆったりとした時間を過ごしたい方向けといえます。

短時間で調理したい方は、ダッチオーブンやほかの炊飯方法も検討しましょう。

羽釜で米を炊く

4つ目は、羽釜を使って炊く方法です。

羽釜の特徴は、鍋の側面に羽と呼ばれる突起があることです。

羽が下からの煤避けになりつつ、噴きこぼれで出た水分が火に落ちるのを防いでくれるので、そのままバーナーやコンロにかけて使えます。

すり鉢のように底面にカーブがあるため対流が起こり、ご飯がおいしく炊きあがるメリットがあります。

羽釜は昔ながらの大きな家庭用だけではなく、キャンプ用に3合炊きと5合炊きの2タイプが販売されています。

キャンプ用といっても家庭用と構造に違いはなく、自宅でも使用できるので、家で使いたい方は大きめの5合炊きを検討してはいかがでしょうか。

耐熱袋で米を炊く

5つ目は、耐熱袋と鍋で炊く方法です。

調理用の耐熱袋に米と水を入れたものを鍋に入れて、湯銭で炊きます。

耐熱袋は市販の袋状になったラップなどを使用するだけなので、専用の鍋や飯盒を購入する必要がありません。

湯銭で炊くため焦げつきにくく、おこげが苦手な人向けの方法です。

耐熱袋を使用するメリットは、鍋を汚さないだけではなく、噴きこぼれの心配もないことです。

2食分をまとめて炊き、1食分を袋に入れたままで置いておけば、次に食べるときは温めるだけですぐに用意できます。

ただし耐熱袋とはいえ、鍋底に直接触れると溶ける(中身が漏れ出る)可能性があるので注意が必要です。

炊飯時はご飯の面積が増えることを考慮して、空間に余裕をもたせて口を縛りましょう。

内部に空気があると加熱時に膨張して破裂するおそれがあるため、可能な限り空気を抜いておくことも失敗しないコツです。

竹で米を炊く

6つ目は、竹を加工して飯盒代わりにする方法です。

竹が入手できる場所なら、調理器具を持参しなくてもその場で竹を切って米を炊けます。

ただし、実践できるのは竹を自由に切って良い場所のみです。

自分の所有する土地であっても、保安林など竹の伐採に申請が必要な場合もあるので注意しましょう。

無許可で竹を伐採すると、土地の所有者でも森林法違反となり、罰金が科されるおそれがあります。

竹で米を炊くときは、切って間もない、水分を多く含んでいる青竹を使用することがポイントです。

準備として青竹を切って飯盒を作る作業もあるので、ブッシュクラフトを体験したい人におすすめの炊飯方法です。

材料に余裕があれば、コップなど食器も自作できます。

飯盒や食器代わりとなる竹が現地調達できれば、荷物を最小限に抑えられるメリットがあります。

土鍋と羽釜どちらがおいしい?

お米好きに注目されているのが、土鍋や羽釜を使用した炊飯です。

どちらも昔ながらの方法で、ほかの調理器具を使用した場合とは異なるおいしさがあります。

ここでは、土鍋と羽釜それぞれの違いを紹介します。

土鍋で炊くとご飯がおいしい理由

土鍋の特徴は、熱伝導率が悪いことです。

鍋が温まるまで時間がかかるので、米にゆっくりと火が入ります。

時間がかかるデメリットは、じっくり炊くことでうまみが出るメリットにもつながります。

やわらかいご飯に炊きあがるうえ、おこげも作りやすいため、独特の風味が好きな方におすすめです。

また、土鍋は保温性が高く、一度炊くと長く温かい状態を保てるメリットもあります。

ただし構造上、炊きムラができやすいことと、おこげがこびりつく点には注意しましょう。

羽釜はおいしくなる条件を兼ね備えている

土鍋に負けず劣らず、羽釜で炊く方法もおいしくなる条件が揃っており、米好きの方におすすめです。

江戸時代から伝わる割烹道の宗家は、お米の特質などを考えると「これが正解」とは言えないものの、理想は羽釜で炊いたご飯とも言っています。(出典:家庭画報.com「柳原一成さんに習う、おいしいご飯炊きの“正解”」)

羽釜がご飯をおいしくする理由は、下記のとおりです。

  • 重い木蓋が密閉して高温を保つ
  • 木蓋が適度に水分を吸収する
  • 米の対流が起こりやすい形状
  • 一気に高温になり、火が均等に回る
  • 短時間で炊ける

羽釜で木蓋を使用すると、適度に水分を吸収してくれるので、炊きあがったご飯に水滴が落ちにくくなります。

底のカーブや素材は一気に高温になるため、火が均等に回って焼きムラができにくく、短時間で炊けます。

短時間で炊飯できるメリットは、キャンプ場の限られた時間を有意義に過ごせるだけではありません。

粒がしっかりと残ったご飯に仕上がるなど、おいしさにもつながります。

一方で、土鍋のような保温性はないので、家庭でも羽釜を使用する場合は注意が必要です。

土鍋が合う人と羽釜が向いている人

土鍋と羽釜どちらが良いのか判断しにくい方は、下記の3つの特徴も踏まえて考えてみましょう。

  • 炊飯時間
  • 手入れ
  • 携行性

炊飯時間で考えると、羽釜のほうが早く熱が回る分、有利です。

手入れの面では、どちらも洗い物の数(本体と蓋)は同じです。

ただし土鍋はこげつきやすい分、片付けに手間がかかる可能性もあります。

携行性も、どちらも重量があるため手軽とはいいきれません。

ただし両者で比べると羽釜のほうが軽いうえ、素材的に割れる心配がない分、持ち運びやすいといえます。

上記のとおり、羽釜のほうが全体的に取り扱いやすい傾向があります。

取り扱いやすさを重視するなら、羽釜のほうが向いています。

ただしおこげが作りにくい、お米の粒がしっかりしたご飯になるなどの特徴もあるので、食感の好みで選ぶのもおすすめです。

「おこげを楽しみたい」「やわらかいご飯が良い」という方は、土鍋のデメリットも理解したうえで使用を検討してみてはいかがでしょうか。

キャンプ用の羽釜で米を炊く方法

キャンプ用の羽釜は家庭用ではなく、専門メーカーが販売しているものを購入するのがおすすめです。

キャンプでの使用を想定して製造されているため、蓋などこまかな部分に工夫が見られます。

また、炊き方にも注意しましょう。

羽釜の構造が良くても、正しい方法で炊かなければおいしいご飯はできません。

羽釜を使いこなすためには、基本的な炊飯の手順について覚えておくことも大切です。

ここでは一例として、人気のユニフレーム「キャンプ羽釜3合炊き」を使用した、羽釜での炊飯手順を紹介します。

ユニフレーム(UNIFLAME)キャンプ羽釜3合炊き

ナチュラム 楽天市場支店
¥8,250 (2024/10/08 16:37時点 | 楽天市場調べ)
サイズ 約φ206×150(高さ)mm(内径φ149mm)
重量 1.35kg
適正炊飯量 3合
満水容量 1.8L
素材 アルミ鋳造、ステンレス鋼、天然木

ユニフレームから発売している「キャンプ羽釜3合炊き」は、キャンプ用の羽釜として人気のアイテムです。

5合炊きモデルもあるので、ファミリーキャンプやグループでのキャンプでも使用できます。

同社の別売り商品「ネイチャーストーブ ラージ」にフィットする大きさ(3合炊きのみ)なので、セットで購入するのもおすすめです。

アルミ製の釜で熱が全体に行きわたりやすく、羽釜のメリットを最大限に引き出してくれます。

羽釜を使用した基本的な米の炊き方は、下記のとおりです。

1.米を研いで羽釜に入れる

まずは米を研ぎ、羽釜に入れます。

ザルに計量した米を入れ、軽く研ぎましょう。

強く擦ると米にヒビが入るので、優しく表面のゴミなどを取り除くつもりで研ぐことがポイントです。

近年の米は精米の精度があがっており、水を換えて3回くらい洗えば十分きれいになります。

キャンプ場やサイトの位置によっては、水場が遠い場合もあるので、研ぐための水を極力使わずに済む無洗米もおすすめです。

2.米に浸水させる

米が入った羽釜に、水を入れます。

一般的には、炊く米の1.2倍の水量が目安です。

ユニフレームのキャンプ羽釜の場合、内部に水を入れるための目盛りがあるので参考にしつつお好みで調節しましょう。

羽釜で炊くご飯の味は水加減が大きく影響するので、多めに入れすぎないように注意してください。

火をつけず、そのまま30分おいて米に浸水させます。

3.火にかける

加熱するときは、最初は強火で温めるのがポイントです。

キャンプ用のバーナーやコンロの場合、火が側面からはみ出ることがある点に注意しましょう。

沸騰するまでは強火にしておき、沸騰したら弱火にして、10分ほど炊きます。

沸騰の目安は、羽釜の蓋から噴きこぼれが出てきたときです。

4.ご飯を蒸らす

弱火にしてから10分後に火を止め、10分ほど放置して蒸らします。

蒸らし作業は、羽釜に残っている熱でじっくりと火を通すために必要です。

火を止めてもしばらくは羽釜が熱いので、きちんと火が通ります。

5合炊きなど大きめの羽釜の場合、20分程度蒸らすのも良いでしょう。

慣れてきたら、使用している羽釜の特性やサイズに合わせて微調整してください。

上記の手順でご飯がかたいと感じたときは、弱火で炊く時間を20分ほどにして、蒸らす時間を短くする方法もおすすめです。

キャンプで羽釜を使用するときの注意点

羽釜は、使用後のメンテナンスも重要です。

羽や底のカーブが変形しないように注意して取り扱うだけではなく、長持ちさせるためにメンテナンス方法も覚えておきましょう。

基本的なメンテナンスのポイントは、下記のとおりです。

  • 水やたわしで優しく洗う
  • 洗浄後はしっかり乾燥させる
  • 風通しの良い場所で保管する
  • 半年に一度は使用するかメンテナンスする

洗うときは水やたわしで、優しく取り扱います。

金たわしは表面に傷がつくため、使用は避けてください。

洗浄後は、錆にならないようにしっかりと乾燥させます。

羽釜を長持ちさせるためには、こまめに使用することも大切です。

使用頻度が少ないと、羽釜に必要な油膜ができないので傷みやすくなります。

あまり使わないときも、半年に一度は水を入れて煮沸するとメンテナンスになります。

乾燥させるときや片付けるときは、水分が残っていないか確認してください。

とくに底面は錆びつきやすいので、洗った後はしっかり乾いた布などで拭いてから乾かすことがポイントです。

まとめ

キャンプでおいしいご飯を食べたいときは、炊飯用の調理器具にもこだわってみましょう。

ダッチオーブンや土鍋、竹など、使用する調理器具によってご飯のかたさや風味も異なります。

粒がしっかりとしたご飯を好む方は、羽釜もおすすめです。

キャンプ用の羽釜なら小振りで持ち運びやすいので、ぜひ候補に加えてみてください。

タイトルとURLをコピーしました