キャンプの準備内容や楽しさは、現地の気候によって大きく変わります。
真夏または真冬にキャンプするときは、相応の準備をしなければ楽しむどころではありません。
春や秋も、昼夜の気温差が激しかったり雨の可能性があったりするキャンプ場では、リスクを想定した準備が必要です。
この記事では、初心者さんがキャンプを楽しむために知っておきたい、おすすめの季節や春夏秋冬それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
キャンプをする人が多い季節は秋
WEBメディア運営会社が行った「どの季節にキャンプをするのが好きか」というアンケートによると、もっとも割合が多かったのは「秋」でした。
詳しい順位は、下記のとおりです。
- 1位:秋
- 2位:夏
- 3位:春
- 4位:冬
秋・夏と、一般的にもレジャーのイメージが強く、家族や仲間で数日間の休みをとりやすい時期が上位となりました。
回答者100人のうち、秋にキャンプするのが好きと答えた人は43人です。
全体の半数に近い割合の人が、秋キャンプを好んでいました。(出典: 株式会社ベストアクティ「【アンケート調査】キャンプはどの季節にするのが好き?キャンパーが語る各シーズンの魅力」)
秋を選んだ人の多くが、過ごしやすい季節であることを理由にあげています。
アンケートであげられていた主な「秋にキャンプをする理由」は、下記のとおりです。
- 虫(蚊)が少ない
- 暑すぎない、寒すぎない
- 熱中症の危険がない
- 夜を静かに過ごせる
- 食材が傷みにくい
など
他にも紅葉を楽しめるなど、秋ならではの景色や体験を理由としている人もいました。
過ごしやすい気温である点は春も同じですが、中には「花粉がつらいので」と秋を選ぶ声もありました。
ただし、花粉は一年中飛散しています。
花粉症の方は、自分がアレルギー反応を起こす花の種類を把握したうえで、適した季節を選ぶことが大切です。
花粉症になりやすい春・秋と、ほぼ一年中の3つに分けると、症状の原因となりやすい花粉はそれぞれ下記のとおりです。
春 | 秋 |
ほぼ一年中 (地域による) |
|
主な花粉 |
スギ ヒノキ ハンノキ シラカンバ(シラカバ) など |
ブタクサ ヨモギ カナムグラ など |
カモガヤ ネズミホソムギ ススキ など |
春はスギなど樹木系が、秋はブタクサなど草花系が多く、夏や冬も含めて年中(地域によって異なる)症状が出る可能性があるのが、ススキなどのイネ科の植物です。
季節のほか、地域によっても飛散する花粉の種類が異なるので、利用するキャンプ場が遠方の場合は現地の気候も参考に対策することが大切です。
アンケートでは、秋以外の季節を選ぶ人も一定数おり、それぞれ季節ならではの魅力やメリットを理由にあげています。
デメリットの中にはある程度対策できるものも多いため、メリットも参考にキャンプする時期を検討しましょう。
【季節別】キャンプをするメリット・デメリット
アンケートでは秋が人気ですが、他の季節もキャンプに適していないわけではありません。
また、秋キャンプにデメリットがまったくないとも言い切れず、人によってはほかの季節のほうが向いています。
ここでは四季それぞれのキャンプをする魅力と、注意すべきデメリットとともに、おすすめの対策を紹介します。
春にキャンプするメリット・デメリット
一年間を季節ごとに分けるとき、考え方として太陰太陽暦、太陽暦、気象学などさまざまな観点による分け方があります。
キャンプでは季節ごとの気温や天気の傾向も重要となるため、この記事では気象学的な季節を参考に解説します。
国立天文台によると、気象学的に季節を分けた場合、春に該当する時期は3月~5月です。(出展:国立天文台「暦Wiki」)
メリット
春にキャンプするメリットは、主に下記の3つがあげられます。
- 過ごしやすい気温
- 山菜を楽しめる
- 焚き火を楽しめる
春になると地域によっては昼夜の気温差が小さく、過ごしやすくなります。
冬キャンプのようにストーブを持ち込む必要がないので、荷物もコンパクトにまとめられます。
ただし、山は冷え込みやすいので、キャンプ場の下調べを行うなど注意が必要です。
敷地内の植物を採取して良いキャンプ場や私有地なら、山菜やタケノコを収穫できるのも春キャンプの魅力です。
その年の気候や種類によりますが、山菜やキノコは3~6月あたりに多く採れます。
自分の名義の私有地であっても、保安林など自由に伐採・採取できない山林もあるので、不安な方は事前に確認しましょう。
夏場は暑くて火をつけたくなくなりますが、春なら日が落ちれば肌寒くなることも多いので、焚き火の熱が心地よく感じられます。
採れたての山菜を使った料理も、焚き火を利用して楽しめます。
デメリット
春にキャンプする場合、注意すべきデメリットは下記の4つです。
- 花粉が多い
- 虫も出やすい
- キャンプ場は気温が下がりやすい
- 人気スポットは予約が取りにくい
前述のとおり、花粉は一年中飛んでいるうえ、季節ごとに飛散量や種類が異なります。
ただし春は複数の種類の花粉がとくに多く飛散するので、花粉症の人にとってもっとも辛くなりやすい時期です。
スギ花粉の場合、地域ごとに多少前後しつつも2~4月ごろが全国的にピークを迎えます。(出典:大正製薬「主な花粉症原因植物の花粉捕集期間(開花時期)」)
中には粘度が高くベタつく花粉もあるので、花粉症でなくても、テントやタープの手入れが面倒になるデメリットがあります。
テントやタープの手入れ時は、虫にも注意しましょう。
春は夏に出る蚊やアブなどの心配がない反面、毛虫が多い季節です。
強風が吹く季節なので、知らないうちに風で落ちてきた毛虫がタープやテントについていることがあります。
また、昼夜の気温差にも注意しなくてはなりません。
春といってもキャンプ場は山にある場合が多く、朝晩は冷え込みやすくなります。
冬の装備は重い・多いから、と荷物を軽くするために春を選ぶと、必要な装備を忘れて寒い思いをする可能性もあります。
雨も降りやすくなるので、天気の変化に注意して、必要最低限の装備は忘れずに持参することが大切です。
また、過ごしやすい春にキャンプしようと考える方が多いことも、注意したいポイントです。
秋の紅葉と同じく、春の桜も人気があります。
キャンプ場以外の場所で野営しようと思っても、花見客で溢れていることがあり、場所取りが困難です。
キャンプ場も桜が売りとなっているところは、平日でも予約で溢れているので、早めに計画を立てて申し込んでおきましょう。
おすすめの対策
夏に比べると、本格的な虫除けはする必要がありません。
軽めの対策として、虫除けスプレーやミストは持っていくと便利です。
寒さ対策は、標高が高くないキャンプ場を選ぶようにしましょう。
標高が高いと春でも寒く、天気が崩れるおそれもあります。
天候や気温だけではなく、風速も調べておくこともポイントです。
強風が吹くと、実際の気温よりも寒く感じます。
ストーブなど本格的な防寒対策は必要ありませんが、電気毛布やダウンシュラフなどがあると安心です。
早めに予約を入れるか、人気スポットは避けてキャンプ場を選びましょう。
ソロキャンプや少人数でのキャンプなら、思い切って私有地の山林を借りてキャンプするのもおすすめです。
夏キャンプならではのメリット・デメリット
気象学的な夏は、6月~8月をさします。
梅雨や台風の時期と重なりやすい一方で、長期休暇がとりやすかったりイベントが多く開催されたりする季節です。
メリット
夏にキャンプをするメリットは、下記の4つがあげられます。
- 水遊びを楽しめる
- 寒さ対策がいらない(厚着がいらないので身軽)
- 家族やグループでキャンプを楽しめる
- 日照時間が長いので遊ぶ時間をとりやすい
夏場でも川や海に近いキャンプ場なら、水遊びで暑さを和らげられます。
遊びながらスイカなど野菜やフルーツ、飲み物を川の水で冷やせるので便利です。
川の水は常に流れているので温くなりにくく、食べ物や飲み物を冷やすのに適しています。
冷やすときは流れないように、ネットに入れて紐を木に括り付けたり重石で抑えたりしておくことがポイントです。
冬キャンプのように厚着したり防寒具を持参したりする必要がないので、身軽に動けるのも夏ならではといえます。
ただし熱中症に注意する必要があり、人によってはクーラーなど冷やす道具で荷物が多くなることも考えられます。
長期休暇をとりやすいうえ、子どもも夏休みなので家族やグループで予定を合わせやすく、家族ぐるみで付き合いのある友人や親戚とグループキャンプも楽しめます。
大人数で楽しむBBQも、夏ならほとんどのBBQ会場で利用できます。
会場によっては、冬場のみBBQ会場が閉鎖されているところもあるため、お気に入りのスポットで楽しみたい方はオープンしている可能性の高い夏がおすすめです。
夏は日没が遅いので、明るい中で長く遊べるメリットもあります。
ウォータースポーツなど、夏ならではのアクティビティが楽しめる施設も多く見つかります。
夏休みの子ども向けにイベントを開催しているキャンプ場もあり、魚取りなど都会での生活では味わえない楽しみがあります。
デメリット
夏にキャンプをするデメリットは、下記の4つです。
- とにかく暑い
- 水難事故が起こりやすい
- キャンプも観光地も混みやすい
- 虫が多い
夏ならではの注意点として、気温の高さがあげられます。
気温は年々、上昇傾向にあります。
東京都の月ごとの平均温度の過去データを見ると、観測開始時にあたる1875年の8月が24.9度だったのに対して2023年8月は29.2度でした。
1日の最高気温で比べると1875年8月は29.4度、2023年8月は34.3度と、4.9度もの差があります。(出典:気象庁「観測開始からの毎月の値」)
熱中症も全国的に発生しており、7月~8月がとくに多い傾向です。
2022年7月には北海道でも700人弱が、全国で2万人以上が熱中症で救急搬送されました。(出典:総務省「熱中症による救急搬送状況(令和4年)」)
暑さ対策に川や海の近くでキャンプする人もいますが、水難事故が起こりやすい季節なので注意が必要です。
【川の水難事故】
川で水難事故が起こりやすい理由は、大雨直後の増水や鉄砲水があげられます。
キャンプしている場所が晴天でも、上流で大雨が起こればキャンプ地付近の川も増水します。
過去に川の中洲や川辺でキャンプしていた人が、寝ているうちに増水で流された事故もあるため、テントを張る場所も慎重に選ばなくてはなりません。
また、上流にダムがあれば、晴天でも放流で増水する可能性があります。
【海の水難事故】
海も浅瀬で子どもが溺れる事故が起こりやすいので、注意が必要です。
水難事故の原因で意外と多いのが、魚とりや釣りをしているときの事故です。
波で沖まで流されたり、岩場などから落ちて溺れたり、怪我をしたりすることがあります。
水難事故などリスクのほか、注意したいのがキャンプ場の予約です。
社会人はお盆休み、子どもは夏休みで、夏場は観光地を中心にどこも人出が多くなります。
ファミリーやグループでの利用が多くなり、キャンプ場の予約自体が困難です。
仮に予約できたとしても、周囲が騒がしかったり普段利用しない層がマナーを守らずゴミを置いて帰ったりと、気分を害するリスクがあります。
さらに、自然の多いキャンプ場は蚊、アブ、ヒルなど虫も多いので、対策を忘れずに行いましょう。
おすすめの対策
夏場にキャンプをするときは、下記の対策が必要です。
- タープで日陰を確保する
- メッシュ窓のあるテントを選ぶ
- 標高が高いキャンプ場を選ぶ
- ポータブル電源を持っていく
気温が高い夏場はとにかく日陰を作り、直射日光を避けることが大切です。
荷物量の関係でタープを持参していない場合は、木や車の影など、すでにある日陰を活用すれば涼しく過ごせます。
テントの窓や入り口にメッシュがあると、虫除けしつつ風通しを良くできます。
窓が大きめのテントや全面に窓がついているタイプもあるので、これからキャンプギアを購入する方は、検討してみましょう。
キャンプ場選びで、暑さを避ける方法もあります。
標高が高いキャンプ場なら、平野部よりも涼しい傾向です。
ただし夜間冷え込むこともあるので、十分な下調べと防寒対策を忘れずに行ってください。
平野部でのキャンプなら、ポータブル電源を持参すると、扇風機など暑さ対策グッズが使えます。
車で乗り入れるオートキャンプなら、ミニ冷蔵庫・冷凍庫も積み込んでおくと、飲み物や食材も冷やせるのでおすすめです。
暑さ対策として焚き火をしない場合も、ポータブル電源があれば電気タイプの調理器具が使えます。
秋のキャンプに関するメリット・デメリット
気象学的な季節では、9月~11月が秋にあたります。
秋は夏に休めなかった方が有給をとったり、子どもたちも運動会の代休やシルバーウィークでまとまった休みをとれたりと、ファミリーキャンプに適しています。
メリット
秋にキャンプするメリットは、下記の4つです。
- 屋外でも過ごしやすい
- 料金が安いキャンプ場もある
- キャンプ向けの食材が旬
- 自然の景色を楽しめる
春と同じく、暑すぎず寒すぎない秋はキャンプに最適です。
湿度も低いので涼しく、夏のように設営だけで汗だくになる心配がありません。
ただし朝夕は冷え込むこともあるので、軽めの防寒対策は必要です。
秋に入ったばかりの時期は残暑が厳しいため、涼しさを求める方は、キャンプ場の予約は9月後半や10月ごろがおすすめです。
夏に人気が集中しやすいキャンプ場の場合、秋以降は料金が若干安くなっていることがあります。
たとえば滋賀県の某オートキャンプ場は、夏や週末などのシーズン料金と閑散期の料金は2倍近い差です。
予約する時期を調節すれば、人気のキャンプ場をシーズン料金の半額で利用できます。
注意点は、キャンプ場によって安くなる時期や料金の幅が異なることです。
秋がシーズン外となるキャンプ場の場合、10月以降が安くなりやすい傾向です。
秋は、焚き火やクッカーでサッと焼くだけでも美味しい食材(きのこ、栗、芋、サンマ、秋鮭など)が旬を迎えます。
川魚の代表格「鮎」も夏の終わり~秋のはじめ頃(8月~9月)に成魚となるので、香り高い味わいが楽しめます。
旬の食材で炊き込みご飯や焼き魚を楽しみたいなら、秋がおすすめです。
現地調達するときは、採取や釣りが可能か、キャンプ場ごとのルールを事前確認しておきましょう。
昼間は紅葉が楽しめ、夜は星空が楽しめるのも秋キャンプならではの魅力です。
紅葉や星空を売りにしているキャンプ場も多く、涼しい&蚊が少ないので、星を眺めながら長時間を外で過ごすのに良い季節といえます。
夏に比べると明るい星が少ない一方で、秋ならではの星空を楽しめます。
また、9月など早い時期なら、端のほうに夏の明るい星が残っていることもあります。
デメリット
秋にキャンプする場合、考えられるデメリットは下記の4つです。
- 装備選びが難しい
- 長期休暇がとりにくい
- 日照時間が短い
- 火の取り扱いに注意が必要
秋は日中涼しい一方で、夜になると急激に冷え込むキャンプ場もあるため、装備選びに注意が必要です。
キャンプ場のある標高や地域によって、気温の変わり具合も大きく異なります。
予想気温だけでは夜間の冷え込みが読みにくく、経験が少ないキャンパーの場合は寒さ対策が不十分になりやすいといえます。
かといって防寒対策をしすぎると、かえって余計な荷物でかさばるリスクもあり、初心者には難しい季節です。
反対に晴れると昼間は暑くなることも多いので、時期によっては暑さ対策も必要となります。
夏のお盆や冬の年末年始のような、公的にまとまった休みが秋にはないのも特徴です。
シルバーウィークは条件を満たした年のみ設けられる連休(秋分の日が敬老の日と二日違いの場合のみ)なので、毎年思うように長期の連休がとれるわけではありません。
シルバーウィークがない年は、ファミリーキャンプやグループキャンプなどは予定のすり合わせに苦労する可能性があります。
初心者の方は、キャンプ場への到着時間も早めに設定しておきましょう。
夏に比べると日が落ちるのが早いため、設営や食事の準備に時間をかけられません。
初心者でなくとも、遠方のキャンプ場を利用する場合は、早めの出発が大切です。
魚釣りなど食材を現地調達する場合は、夕食を準備する時間に注意しつつ行動する必要もあります。
湿度が低くなり、落ち葉も多くなる秋は、焚き火の火が植物に燃え移るリスクも考えられます。
初心者の中には、焚き火のルールや後始末への知識が不十分なまま行っている人もいます。
知らないうちに不適切な焚き火や後始末をして放置した結果、残った火種が火事に発展することもあります。
火をつける道具も、季節に合わせて慎重に選ばなくてはなりません。
たとえばガスの場合、気温が低くなると火がつくにくくなるため、夏に使った残りを秋のキャンプで使おうとしてもうまく火がつかないことがあります。
おすすめの対策
重ね着できる服装にして、暑さにも寒さにも対応できるようにすることが大切です。
夜間の冷え込みには、グランドシートやインナーシュラフを使うと冷気対策になります。
ほかにも厚手の毛布を持参しておくと、下に敷いて冷気対策にしたり上から被ったりできます。
ポータブル電源と電気毛布を持っていくか、電源ありのサイトを借りるのもおすすめです。
装備が揃っていない初心者の場合は、標高の低いキャンプ場も検討しましょう。
焚き火を楽しむなら、温かい料理を作って内側から温める対策も効果的です。
焚き火によるトラブルを避けるためには、基本ルールをきちんと理解しておきましょう。
たとえば火の付け方、「直火禁止」の意味、火の後始末方法などは最低限、覚えておきたい知識です。
焚き火台や焚き火シート、陣幕を使って火が燃え移りにくい状況で楽しむことも大切です。
強風の日は小さな火の粉が飛んで周囲に燃え移ることがあるので、焚き火は避けましょう。
乾燥注意報が出ている日も、火災リスクのある焚き火は避けたほうが安心です。
冬のキャンプであげられるメリット・デメリット
冬を気象学的な季節で区切ると、12月~2月です。
キャンプ好きな方の中には、あえて冬の不便さを楽しむ方もいます。
メリット
冬にキャンプをするメリットは、下記の4つです。
- 空気が澄んでいる
- 虫が少ない
- キャンプ場の予約が取りやすい
- 焚き火を楽しめる
空気が濁る理由は、塵や水蒸気が含まれているためです。
暑い夏は水蒸気ができやすく、対流が起こりやすいので塵も舞い、空気が濁りやすくなります。
冬は気温が低いので水蒸気ができにくく、対流も弱くなるので塵が舞いにくく、澄んだ空気になります。
冬の空は星が見えやすいのも、空気が澄んでいることが理由です。
春や秋以上に、冬は虫が少なくなります。
虫が苦手だがキャンプしたい、という方は、冬キャンプに挑戦してみてはいかがでしょうか。
冬場はキャンプする人が少ないため、人気のキャンプ場でも予約できる可能性が高いところもメリットです。
夏のシーズンや気温が快適な春秋は、人気のキャンプ場は予約で埋まっています。
運良く空いていても、シーズン料金で高くなっていることも多く、混雑していてリフレッシュしにくいデメリットがあります。
一方、キャンプ場の人が少ない冬なら、水場など設備が使いやすいうえ、自然のなかでゆっくり過ごせます。
人の気配がない場所でキャンプを楽しみたい人向きの環境が、揃いやすい季節です。
気温が低い分、焚き火のあたたかさに癒やされるメリットもあります。
スープなど火を使った料理を楽しめるのも、冬ならではです。
準備が大変ですが、薪ストーブも冬キャンプの醍醐味といえます。
デメリット
冬キャンプを検討するとき、注意したいデメリットは下記の4つです。
- キャンプギアを揃えるのにお金がかかる
- キャンプ場の選択肢が減る
- 荷物が多くなる
- 結露ができやすい
防寒対策を完璧にしようとすると、高いキャンプギアを買わなくてはならないことが多いです。
ダウンシュラフや厚手のマットなど、断熱効果が高いものほどお金がかかります。
たとえばシュラフの場合、夏場はなくても問題ありません。
しかし冬は体温が逃げないように&熱を確保するために厚手のシュラフやインナーシュラフ、シュラフカバーなどが必要です。
夏場なら必要ないキャンプギアを、冬キャンプ時は用意しなくてはなりません。
山奥のキャンプ場の場合、地域によっては雪で道が塞がれたり夏しか営業してなかったりと、利用できないこともあります。
他のシーズンに利用して気に入ったキャンプ場であっても、冬場も必ず営業しているとは限りません。
場所を提供していても、水道の凍結防止で一部の設備が利用不可となっていることもあるので、事前確認が必要です。
基本のキャンプギアに防寒対策用のアイテムがいくつも加わるので、荷物量が多いのもデメリットです。
車を使用するなら荷物の運搬は困りませんが、バイクや徒歩で行く場合は注意しましょう。
駐車場とサイトの距離が離れている場合も、重い荷物を持って何度も往復する羽目になります。
冬場はストーブを使用しているテント内と外気との間に大きな温度差が生まれるため、結露ができやすくなります。
結露はテントの生地によっては内部まで水分が染み込むため、下手をするとシュラフや荷物まで濡れます。
濡れれば防寒効果は半減し、かえって体温を奪う状況になりかねません。
冬場は気温が低いのでテントにできた結露は乾きにくく、撤収やメンテナンス時の悩みにもなります。
おすすめの対策
冬キャンプのデメリットを軽減するためには、下記の対策がおすすめです。
- コンパクトになるギアを選ぶ
- 寒冷地用のキャンプギアや登山道具を使う
- 冬に合ったテントを選ぶ
スタッキング(マトリョーシカのように重ねられる)できるものを選ぶと、荷物量自体は減りませんが、面積が小さくなるので持ち運びやすくなります。
焚き火台など大きめのギアは、折りたたみできるタイプも活用しましょう。
電源ありのサイトなら、電気毛布を持っていくと防寒具を最小限に抑えられます。
登山用のアイテムは携行性を重視して開発されているので、ギア選びで迷ったときにおすすめです。
気温が低い冬は、ガス缶など通常だと寒くて使用できなくなるギアもある点に注意しましょう。
寒冷地用のキャンプギアや登山用なら、寒い環境でも使える仕様になっているので安心です。
ガスバーナーの場合、通常のキャンプギアよりも火力が強いのも魅力です。
冬キャンプがメインになりそうなら、テントそのものを冬向けの商品を選ぶのも良いでしょう。
テント素材はポリエステルやポリコットン(ポリエステルと綿の混合)、コットンなどさまざまです。
デザインもスカートつきなど複数あるので、重視する点に合わせて選びます。
たとえば結露対策なら吸湿性や通気性に優れたポリコットンやコットンが適していますが、防水性が低い点には注意が必要です。
ストーブの使用が前提なら、煙突穴付きのストーブ対応のデザインを選びましょう。
外気の侵入を少しでも減らしたいなら、隙間風を防いでくれるスカート付きがおすすめです。
ただし換気がしにくいため、結露ができやすいデメリットもあります。
まとめ
初心者には秋が過ごしやすくておすすめですが、他の季節も対策次第でキャンプを楽しめます。
暑さ・寒さ対策のほかには虫や雨、花粉への対策も考えましょう。
秋や春などキャンプしやすいシーズンになると、人気のキャンプ場はすぐに枠が埋まるので、予約可能な時期になったら早めに申し込むことが大切です。
だいたい2~3か月前あたりから予約できるキャンプ場が多いので、秋なら夏になるころに予約を検討してはいかがでしょうか。