現在は、キャンプなどのアウトドアにおいても、スマホは肌身離さず持ち運ぶことが当たり前となっています。
万が一のときの連絡手段としてはもちろん、ヘルス管理や配信用動画・写真の撮影目的で持参する方もいます。
キャンプで安全にスマホを持ち歩くためには、スマホ防水ケースの存在が欠かせません。
この記事では、キャンプでスマホ防水ケースを使用するべき理由や、おすすめの商品を紹介します。
アウトドアに便利なスマホ防水ケースとは
スマホ防水ケースとは、スマホを水から守りつつ持ち歩くためのアイテムです。
主にポリエチレンなどの水に強い素材で作られており、雨や手洗い時の水滴などからスマホを守ってくれます。
水遊びを想定した防水性能の高いものや、万が一落としても水面に浮いて見つけやすくしてくれるフロートタイプなどもあります。
スマホ防水ケースの中には、アウトドア向けの丈夫なタイプもあります。
アウトドア向けタイプと通常のスマホ防水ケースとの違いは、丈夫さに加えて防水性・防塵性に優れている商品が多いことです。
キャンプや登山など自然の多い場所で使用するなら、通常のものよりもアウトドア向けのスマホ防水ケースがおすすめです。
スマホ防水ケースがアウトドアに必要な理由
最近はスマホ画面用の保護シートやコーティングの進化もあり、ちょっと落とした程度では破損しにくくなっています。
生活防水程度なら搭載しているスマホも多いので、日常生活の中で多少濡れる程度なら問題ありません。
ただキャンプするだけなら、防水スマホケースは別にいらないのでは?と思っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、キャンプや登山に行くならスマホ防水ケースを持って行ったほうが良い理由を紹介します。
スマホを破損や水没から守れる
最近はアウトドアの様子を撮影して、SNSに投稿する人が多いといえます。
注意していても、ふとした拍子にスマホを落とす可能性があります。
キャンプや登山、川遊びの場合、石や木の根につまずいて転んだときにスマホを落とすことがあるため、注意が必要です。
スマホを落とすと、ぶつけた角度や高さ、場所によっては画面割れや水没のリスクがあります。
とくにiPhoneは日常生活の中でも画面割れを起こしやすい傾向にあるため、アウトドアに持参するには破損予防や防水対策が必須です。
また、スマホ防水ケースに入れておくと、少なくとも水没する可能性はなくなります。
使用する商品によっては、衝撃を吸収・緩和して画面割れを防ぐ効果も期待できます。
スマホはこまかな部品を組み合わせて製造されており、内部は非常にデリケートです。
たとえば水溜まりに落としてすぐに拾ったとしても、内部に水が浸入して部品の腐食や回路の故障につながることがあります。
山林や川などでスマホを紛失せずに済む
スマホ防水ケースの多くは、首から下げるためのストラップや、バッグなどにぶら下げるためのカラビナが付属しているのが特徴です。
首から下げたりバッグに取り付けたりできるので、山林や川で遊んでも紛失しにくくなります。
手で持っているだけだと転んだときに落としたり、休憩中に地面や石の上に置いたのを忘れたりするおそれがあります。
実際、ビジネスホテルなど1人での利用が多い施設では、忘れ物ランキング1位はモバイルバッテリー、2位がスマホやPCなどの端末類というデータもあります。(出典:株式会社ライズ・スクウェア「【ビジネスホテルの忘れ物ランキング】男女500人アンケート調査」)
忘れ物を指摘してくれる仲間がいないソロキャンプや、非日常的で注意力が散漫になりやすいレジャーでは、スマホなどの紛失対策が欠かせません。
バッグのポケットもふとした拍子に中身が飛び出ることがあるので、ストラップやカラビナつきのスマホ防水ケースがあると便利です。
スマホをホコリや砂からも守れる
「防水」とついていますが、期待できる効果は水対策だけではありません。
密閉されているので、ホコリや砂からもスマホを保護できます。
スマホは基本的にバッテリーを手軽に交換できないようになっているため、一見すると密閉されているように見えます。
しかしこまかい部分を見ると、表と裏の間やディスプレイと本体の間などに隙間があり、ホコリや砂が入りやすい構造です。
スマホ防水ケースに入れておけば、日常生活よりもホコリや砂が入りやすいアウトドアにおいても、大切なスマホを汚さずに済みます。
キャンプの場合、焚火のときに舞っている煤などからも保護できるので、水遊びのシーン以外でも役立ちます。
フロートタイプなら水中でも紛失しにくい
春や夏のキャンプでは、川で釣りをしたり水遊びをしたりする方も多いのではないでしょうか。
水辺で遊ぶときに注意したいのが、スマホを水中に落として紛失することです。
スマホを水中に落とさないための対策として、フロートタイプのスマホ防水ケースが効果的です。
アウトドア用など一部のスマホ防水ケースは、水没対策でフロートタイプになっています。
フロートタイプとは、中に空気を入れるスペースがあり、水に浮く仕様のことです。
スマホを入れた状態でも水に浮くので、落としても水中に沈むことなく、回収しやすいメリットがあります。
ただし流れの早い川で遊ぶときは、どんどん流れていってしまうので注意しましょう。
現金や小物も一緒に持ち歩ける
最近は地方の商店やコンビニなどでもキャッシュレス化が進んでいるので、防犯の意味もかねて最小限の現金しか持ち歩きたくない人も多いのではないでしょうか。
とくにキャンプ場や山林での野宿は、盗難対策が欠かせません。
最低限の現金や小物を持ち歩く程度にしたい方にも、スマホ防水ケースがおすすめです。
スマホ防水ケースの中には、仕切りがあったりポケットがあったりするタイプも多く、スマホと一緒に小物も収納できるようになっています。
万が一のとき用に現金を少し入れておけば、「飲み物を買いたいが自販機しかなかった」「現金のみのお店しかなかった」というときも便利です。
現金のほかには、怪我をしたとき用に絆創膏を入れておく使い方もあります。
アウトドア用のスマホ防水ケースの選び方
キャンプや登山などのアウトドアにスマホ防水ケースを持参するなら、ビーチやプールでの使用とは異なる基準で選ぶことが大切です。
ここでは、アウトドアでスマホ防水ケースを使用するとき、どのような点に注目して商品を選べば良いのか解説します。
ケースの防水性で選ぶ
防水目的で購入するからには、防水性を何より重視しましょう。
スマホ防水ケースと一口にいっても、どの程度の水圧に耐えられるのかは商品によって異なります。
中には生活防水程度の機能しかないタイプもあるので、川遊びなど完全に水没するリスクのあるアウトドアでは注意が必要です。
防水性で選ぶときは、商品説明やパッケージに書かれているIPの数字に注目しましょう。
IPは国際電気標準会議が制定した、製品の防塵性・防水性を表す規格です。
通常、2つの数字が表記されており、1つ目(左側)は防塵性、2つ目(右側)は防水性を表しています。
数字の代わりにXと記載されている場合は、等級で表すほどの機能がないことを表します。
たとえばIPX5なら、防塵性を等級で表すほどの機能はないものの、防水性は5等級ある(IPX4よりも防水性がある)ということが分かります。
下記のとおり、防塵性は6等級まで、防水性は8等級まで設定されています。
【防塵性】
1級 | 直径50mm以上の固体が内部に侵入しない |
2級 | 直径12.5mm以上の固体が内部に侵入しない |
3級 | 直径または厚さ2.5mm以上の固体が内部に侵入しない |
4級 | 直径または厚さ1mm以上の固体が内部に侵入しない |
5級 |
粉塵が内部に侵入することを防ぐ または内部に侵入しても正常な運転を阻害しない |
6級 | 粉塵が内部に侵入しない |
【防水性】
1級 | 鉛直に水滴が落下してきても有害な影響が生じない |
2級 | 鉛直から15度の範囲で水滴が落下してきても有害な影響が生じない |
3級 | 鉛直から60度の範囲で水滴が落下してきても有害な影響が生じない |
4級 | あらゆる方向からの飛沫による有害な影響が生じない |
5級 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響が生じない |
6級 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響が生じない |
7級 | 水深1mで30分の条件に水没しても内部に浸水しない |
8級 | 7級よりも厳しいメーカー準拠の規格に合格している |
数字の違いは製品試験の方法の違いを表すものであり、必ずしも数字が高ければ良い製品とは限りません。
同じ数字でもメーカーによって試験状況が異なるので、性能に差が出ることがあるためです。
大切なのは、使用状況に適した条件で試験された製品を選ぶことといえます。
IPの数値が高く、更に「アウトドア用」など明確な記載があれば、安心度が高くなります。
数字を基準に選ぶ場合、アウトドアなら水没を想定したIP67やIP68がおすすめです。
耐衝撃性で選ぶ
アウトドアでの使用なら、防塵性・防水性に加えて耐衝撃性も重要です。
とくにiPhoneユーザーはちょっとした落下だけで画面が割れるリスクがあるので、耐衝撃性のあるスマホ防水ケースを選びましょう。
画面割れはディスプレイが見えにくくなるのみならず、こまかな破片が内部の基盤を傷付けたり、持ち主が怪我をしたりするおそれがあります。
耐衝撃性を調べる方法は、商品説明やパッケージに「MIL規格準拠モデル」であることが記載されているかどうかをチェックすることです。
MIL規格はアメリカ国防省が定めた規格で、衝撃や振動など過酷な状況でも問題なく使用できるかテストされたことを証明しています。
また、後述するケースのタイプによっても耐衝撃性が異なります。
ケースのタイプで選ぶ
スマホ防水ケースは、大まかに分けるとハードタイプとストラップタイプ(ポーチタイプ)の2種類です。
ハードタイプは通常のスマホケースと同じような作りなので、外見的に大きな変化はありません。
一般的なデザインは、アウトドアへ出かけるたびにケースを付け替える手間がかからない点がメリットです。
シリコンタイプなど衝撃吸収してくれるものもあるので、破損防止と見た目を重視するなら選んでも良いでしょう。
ただしアウトドアの場合、落下防止できるスマホ防水ケースを選ぶことも大切です。
見た目にこだわりがないなら、アウトドアシーンでは落としにくいストラップタイプ(ポーチタイプ)の使用がおすすめです。
ストラップやカラビナで首から下げたりバッグにつけたりできるので、手元が滑った拍子に落とすような心配がありません。
商品によっては小物も一緒に収納でき、スマホの機種や大きさに関係なく使用できる利便性も魅力です。
最近はアウトドアブランドからスポーティーなデザインのケースも出ており、昔ほど「ダサい」「安っぽい」商品ばかりではないので、おしゃれ好きな方にも適しています。
フタの開閉方法で選ぶ
スマホ防水ケースはさまざまなデザインがあり、商品ごとに開閉方法が異なります。
食品保存袋のようにジッパーで閉じているものもあれば、プラスチックパーツなどでフタを固定するタイプもあります。
ジッパーは手軽に扱えるものの、一方で急いでスマホを収納すると密閉しきれていないことがあるので注意しましょう。
プラスチックパーツを使用した商品の場合、カチッと音がするので、きちんと密閉できているかどうかが分かりやすいのがポイントです。
ほかにも、ファスナー型でスマホを出し入れしやすいタイプもあります。
自分にとって開け閉めしやすいもの、密閉の安心度が高いものなど、優先したい部分を基準に選びます。
機能で選ぶ
首から下げるストラップやカラビナのほかにも、機能付きのスマホ防水ケースがあります。
たとえばマグネットやシールで固定したり組み立てたりできるタイプなら、防水ケースに入れたままテーブルの上などに立てられます。
スタンドタイプの多くは、入浴時に浴槽の縁に置いて使用することを想定しています。
しかしキャンプでも動画サイトやSNSのキャンプ飯レシピを見ながら調理したり、ウッドクラフトに挑戦したりできるため、検討する価値は十分あるといえます。
また、基本的にはケースに入れたまま操作することになるので、ケースの上から問題なく反応するかどうかも大切です。
ケースの上から充電(ワイヤレス充電)できるタイプなら、アウトドア中にスマホをいっさいケースから出さずに活用できます。
どんな機能があるのか、評判は良いのか、レビューなどで確認して自分にぴったりの機能を見つけましょう。
アウトドアにおすすめのスマホ防水ケース5選
キャンプや登山などアウトドアシーンで活躍するスマホ防水ケースについて、おすすめ商品を5種類紹介します。
スマホ防水ケースの特徴は、防水性や耐久性のみならず、それぞれ対応サイズが異なることです。
商品ごとにミリ単位で差があるので、購入を検討するときは、機能のみならずサイズも確認しましょう。
フィッシュアイ(Fisheye ):WF スマートハウジング WFH06
タイプ | ハードケース |
対応端末 | iPhone・Android |
サイズ(縦×横幅×厚さ) | 約20.3cm×10.4cm×6.1cm |
重量約 | 約860g |
防塵性/防水性 | 防水機能のみ(耐圧水深80m) |
素材 | 耐腐食アルミ合金、耐摩擦性ポリカーボネート |
水中撮影機材の輸入や製造を手掛けている会社から発売している、ハードケースタイプのアルミケースです。
L165×W85×D9.5mm以下のiPhone・Androidの両方に対応しており、共通アプリで操作できるので、スマホ複数台持ちの人にもおすすめです。
別売りレンズなどのパーツを揃えると、より本格的な水中撮影に活用できます。
付属のポンプで内部を陰圧にする「バキュームシステム」を採用しているので、しっかりとした防水性があります。
通常のキャンプでも使用できるものの、どちらかというと川釣りやスキューバダイビングなど、水辺でのアウトドアを楽しみたい人向けのスマホ防水ケースです。
シズカウィル(shizukawill):AQUA DIVE(アクアダイブ)
タイプ | ネックストラップタイプ |
対応端末 | iPhone・Android |
サイズ(縦×横幅×厚さ) | 約23.2cm×11.5cm×1.6cm |
重量約 | 約110g |
防塵性/防水性 | IPX8 |
素材 | ABS・PVC |
6.8インチまでのiPhone・Androidに対応しています。
ストラップつきなので、首から下げたまま使用できます。
エア入りの弾力性がある本体が特徴的で、水に浮きやすく、落としたときの衝撃も和らげてくれます。
カラーバリエーションが豊富なので、男女問わず好みの色が見つかります。
グループやファミリーで使用するなら、色違いで揃えるのもおすすめです。
フタはプラスチックパーツで閉じるタイプで、カチッと音がするので、密閉できているか分かりやすいのもポイントです。
オウルテック(Owltech):蓄光+オーロラカラー 防水ケース OWL-WPCSP22シリーズ
タイプ | ネックストラップタイプ |
対応端末 | iPhone・Android |
サイズ(縦×横幅×厚さ) | 約22cm×12.1cm×1.5cm |
重量約 | 約45g |
防塵性/防水性 | IPX8 |
素材 | ABS・PVC |
6.7インチまでのiPhone・Androidに対応できる、スタンダードなネックストラップタイプのスマホ防水ケースです。
オーロラカラーがおしゃれなので、見た目重視の女性にもおすすめです。
ストラップは長めで、ショルダー掛けもできる余裕があります。
オーロラカラー自体が目立つうえ、蓄光素材を取り入れているため、暗い場所で落としても見つけやすい点は、アウトドアに最適です。
IPX8で最高等級の防水性があり、自社試験では水深30mでの防水テストに合格しています。
プラスチックパーツで閉じるタイプで、カチッと音がするので密閉を確認しやすく、高い防水性で安心して水遊びできます。
エレコム(ELECOM):スマートフォン用防水ケース「AQUA PROOF」P-WPSRA04
タイプ | アームバンドタイプ |
対応端末 | iPhone・Android |
サイズ(縦×横幅×厚さ) | 約17cm×8cm×1cm |
重量約 | 非開示 |
防塵性/防水性 | IPX8相当 |
素材 | PVC・ABS |
6.9インチ以下のiPhone・Androidに対応したスマホ防水ケースです。
ネックストラップのほか、アームバンドがデフォルトでついているので、ランニングや登山、散策時には腕に装着して手ぶらでスマホを持ち運べます。
立体構造で側面に””バリ””がないので、フラットな手触りでサイドボタンが押しやすいのもポイントです。
ケース越しに顔認証対応できるほどの透明度があります。
エレコムの自社環境認定基準を1つ以上満たした『THINK ECOLOGY』マークつきの商品なので、環境負荷の少ない商品を選びたい人にもおすすめです。
フタ部分はロックレバー(プラスチックパーツ)で閉じるので、カチッと音がしたかどうかで密閉を確認できます。
ペリカン(Pelican):防水ドライバッグ Marine Water Resistant 2L Dry Bag
タイプ | バッグタイプ |
対応端末 | iPhone・Android |
サイズ(縦×横幅×厚さ) | 約34cm×17.5cm×4.5cm |
重量約 | 約175g |
防塵性/防水性 | IP66 |
素材 | PVC |
アメリカで軍隊や警察・消防に製品が採用されている保護ケースメーカーから発売している、防水バッグです。
バッグ表面にスマホ画面用の窓(約10×17.5cm)があり、防水対策をしつつ7インチまでのスマホを持ち歩けます。
2L容量のバッグにスマホ防水ケースがついたタイプなので、ナイフやカトラリーなど、こまごまとしたキャンプギアの収納におすすめです。
バッグ自体も2Lペットボトル程度の大きさしかないため、かさばりません。
スマホ画面用の窓は指の動きに反応するので、ケースに入れたまま、両手で持ってスマホを操作できます。
バッグ本体には、500デニールでテントと同等の厚みがあるポリエステル生地を使用しています。
丈夫かつショルダーストラップつきなので、アウトドアでも安心して持ち運べます。
まとめ
スマホ防水ケースは、手ぶらで使えるショルダータイプやネックストラップタイプのほか、腕に装備できるタイプ、バッグと一体化したタイプなど、種類が豊富です。
アウトドアで使用する場合は、携行性に加えて耐久性も重視しましょう。
防水機能も商品ごとに性能が異なるので、キャンプや川遊びなど、使用シーンに合わせたスマホ防水ケースを選ぶことが大切です。