キャンプやBBQで使用済みの炭はどうする? 余ったときの再利用方法

キャンプの焚火やBBQに欠かせないアイテムが、炭です。

設備が整った一部のキャンプ場やBBQ場には、使用済みの炭を廃棄できる場所がありますが、利用した会場にも設置されているとは限りません。

そもそも、使用済みの炭にもさまざまな活用方法があり、1度使用した程度で捨てるのはもったいないといえます。

この記事では、使用済みの炭や買いすぎて余った炭の保管方法と、再利用法について解説します。

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去年余った炭は使える?

焚火やBBQで使用するための炭は、シーズン中なら近所の大型スーパーやホームセンターで購入できます。

ホームセンターでは、3kgや10kgなど大きめの箱で炭が売られていることがあります。

家族やグループで使用するならシーズン中に使いきれますが、ソロキャンプなど少人数で使用する場合、余らせることも多いのではないでしょうか。

まずは「今年使った炭は来年使える?」「去年余ってしまった炭を今年使ってもよい?」という方向けに、余った炭の扱い方を解説します。

炭には使用期限がない

基本的に、BBQや焚火用の炭には、使用期限がありません。

極端なことをいうと、去年のだけではなく何年も前の炭であっても使おうと思えば使えます。

ただし、炭の保管状態が良い場合のみです。

保管状態が悪ければ、去年や半年前の比較的新しい炭でも再利用は困難となります。

余った炭を来年以降も使いたいなら、正しい方法で保管することが大切です。

長期保管した炭は湿気っている可能性がある

きちんと対策しなければ、保管している間に炭が湿気っている可能性があります。

炭には複数の小さな穴(細孔)が開いており、置いておくだけでも空気中の水分や臭気を吸収する性質をもっています。

反対に空気が乾燥しているときは吸収した水分を放出して調節してくれる調湿効果がありますが、完全に乾燥するわけではありません。

とくに備長炭の場合は、加熱しなければほとんどの水分が放出されずに残るので、再利用時は注意が必要です。

備長炭は、1kgあたり1Lの水分を吸収します。

10kgのダンボールいっぱいに余っていると、保管方法によっては10Lの水分を吸収する可能性があります。

誤った方法で長期保管した炭を使用するリスク

炭を長期保管するときは、湿気・臭気に注意しましょう。

誤った方法で長期保管した炭を翌年以降に使用すると、さまざまなリスクが生じます。

主なリスクとして爆跳や悪臭があげられます。

爆跳する危険がある

炭を誤った方法で長期保管して、水分を多く吸収した状態のまま使用すると、爆跳する危険があります。

爆跳とは、着火した炭が勢いよく爆ぜる現象のことです。

炭に含まれる炭酸ガスや水分が加熱によって膨張すると、破裂して爆跳を起こします。

爆跳の程度は、白炭(備長炭)と黒炭のどちらを使用しているかによって異なります。

炭は、製法によって大きく白炭と黒炭に分けられます。

白炭は密度が高い分、爆跳したときの音が大きく、破片の飛ぶスピードが早いのが特徴です。

爆跳したときの危険度は、白炭のほうが高いといえます。

ただし、黒炭でも質の悪いもの・状態が悪いものは、同じように勢いよく破片が飛ぶことがあるので注意しましょう。

多少の爆跳なら問題ないものの、運が悪ければ飛んだ破片が目に当たる危険があります。

破片のみならず火の粉も勢いよく飛ばすので、火傷する可能性も考えられます。

着火すれば爆跳はおさまるので、事故を防ぐためには最初に火をつける工程のみ注意することがポイントです。

悪臭が発生する可能性がある

古くなった炭を使用すると、悪臭の原因となります。

悪臭の原因は、保管している間に炭が吸い込んだ臭気です。

空気中の臭気を吸収した炭を燃やすと、悪臭が煙と一緒に広がって、いやなにおいの中で焚火やBBQをすることとなります。

また、臭い成分の中には、火の勢いを増すものもあり、爆跳の被害を大きくするリスクも含んでいます。

爆跳はもちろん、悪臭の広がりを防ぐためには、正しい方法で保管した炭を使用することが大切です。

炭の正しい保管方法

余った炭の再利用は、コストや毎年買い換える手間を減らすメリットがあります。

使用済みの炭や余った炭を来年以降も使用したい方へ、ここでは事故防止にもつながる正しい炭の保管方法を解説します。

使用済み炭の保管方法

使用済みの炭は、再度同じように焚火やBBQの燃料として再利用できます。

シーズン中や来年に再び利用する予定があるなら、捨てずにとっておくのがおすすめです。

使用済みの炭は、直後ならまだ内部で燃えている可能性があります。

火災の原因になるので、未使用の炭とは分けて保管することが大切です。

基本的には、後片付けのときに使用する火消し壺に入れたままで保管できます。

火消し壺は、炭を入れて中で燃焼させて空気がなくなると、自然に火が消える仕組みです。

中に新しい空気を入れないためにも、最低1時間はフタを開けないようにしましょう。

余った炭の保管方法

余った炭は、外気に触れさせないように注意して保管することが大切です。

特別なアイテムを用意せず、購入時のダンボールでそのまま保管しても構いません。

ただし、ダンボールに入れてフタをガムテープで留める程度では、湿気るおそれがあります。

水分や臭気を吸収しないように、ビニール袋に入れたら必ず口を縛っておきましょう。

購入時に炭が入っていたビニール袋だけでは外気が入りやすいので、袋を二重にしたり乾燥剤を中に入れたりして対策すると、湿気るリスクを抑えられます。

最後に、ビニールごと購入時のダンボールに入れたら、次回使用するときまで湿気の少ない場所で保管します。

ほかの容器に移し替える場合は、水気や臭気を通さない素材のものを選ぶ必要があります。

におい移りの心配がなく、フタもできるガラス容器がおすすめです。

容器に移し替える場合も、まずはビニール+乾燥剤で対策してから容器にまるごと入れると水気や臭気防止の効果がアップします。

使用済みの炭や余った炭を再利用する方法

使用済み・未使用の炭を再利用しない場合は、燃えるごみとして出せます。

厳密な処分方法は自治体ごとに異なるので、住んでいる地域のごみ出しルールに従いましょう。

処分する前に再利用するのもひとつの選択肢といえます。

使用済みの炭も、余った未使用の炭も、BBQや焚火で燃料として使うのみならず、さまざまな活用方法があります。

使用済みの炭の再利用方法

キャンプの焚火やBBQで一度使った後の炭も、再利用できます。

ごみとして処分する前に、自宅で再利用できないか考えてみましょう。

ここでは4つの再利用法を解説します。

消し炭として活用する

1つ目の方法は、消し炭としてキャンプの焚火やBBQで再利用することです。

一度使用して火消し壺などで消火・保管した炭のことを、消し炭と呼びます。

消し炭は火の着きが良いので、次回の焚火やBBQで火を起こすときに使えます。

注意点は、以前にどのような方法で消火したかによって、使い方が異なることです。

火消し壺に入れるなど、水を使わずに消火した消し炭なら、そのまま再利用できます。

一方、消火時に水を使った場合は、水分が残っている可能性があるので、すぐに使用すると爆跳や悪臭のリスクがあります。

そのまま使用せず、まずは天日干しで水分を蒸発させる下準備が必要です。

天日干しする時間がないときは、新しい炭を使用するか、焚火やBBQ台とは別の場所で火起こし作業のみ済ませる方法がおすすめです。

一度着火すれば、爆跳や悪臭のリスクはなくなります。

先に火消し壺や空き缶などの中で火をつけて、着火してから焚火台やBBQ台に移すと、問題なく再利用できます。

消臭剤にする

2つ目の方法は、炭の特性を生かした天然消臭剤として使用する方法です。

炭の表面に開いた細孔は、臭気を吸収するので消臭剤にできます。

炭を消臭剤として使用するメリットは、再利用できることだけではなく、余計な香りでにおいをごまかさないこともあげられます。

臭気を吸収するだけなので、ペットや芳香剤の香りに敏感な人がいる空間でも、消臭剤を設置できます。(ペットがいる場合は、いたずらに注意しましょう)

消臭剤として使用する方法は、単純に設置するのみです。

使用済みの炭を麻袋など通気性の良い容器に入れて、においが気になる場所(シューズボックス、クローゼット、トイレなど)に置いておきましょう。

黒炭と白炭で分けると、白炭(備長炭)のほうが細孔が多い分、多くの臭気を吸着してくれます。

設置する場所の面積や臭気の濃さ、炭の量によって効果が持続する期間は異なるため、なんとなく効果が薄くなったなと感じたタイミングで取り換えるのがおすすめです。

家庭菜園の肥料にする

3つ目の再利用法は、家庭菜園の肥料として畑にまくことです。

炭にはカリウムが含まれており、植物の肥料になります。

カリウムは、植物の水分調整機能や病害抵抗力をアップさせる効果のある栄養素です。

どうせ捨てるつもりなら、燃えるゴミではなく花壇や家庭菜園に肥料として少量まくことを検討してはいかがでしょうか。

家庭菜園や花畑の肥料にする場合は、ブロック状のまま使用するのではなく、ハンマーでこまかく砕いてパウダー状にしてからまきます。

除雪に使用する

4つ目の再利用法は、炭を除雪に使用することです。

雪が多い地域では、灰を雪にまいて溶かすことがあります。

そもそも雪が溶けにくいのは、気温の低さに加えて、雪が白いので太陽光を反射してしまい、なかなか温まらないことが原因です。

黒っぽい灰をまくことで冬場のわずかな太陽光を集め、雪をあたためて溶かす効果が期待できます。

固形の炭は畑にまくときと同じように、砕いてパウダー状にしてから灰と一緒にまきましょう。

前述のとおり炭にはカリウムが含まれているので、多少まいたところで悪影響の心配はありません。

玄関前や庭はもちろん、家庭菜園の雪がいつまでも残っている場合に試してみてはいかがでしょうか。

注意点は、晴れた日を選んでまくことです。

あくまで黒い色が太陽光を集めることで雪を溶かすという理論なので、くもり・雨の日は避けて行わなくては、十分な効果が期待できません。

余った未使用の炭を活用する方法

保管状態が良ければ、買った直後の炭と同じように、そのまま次回の焚火やBBQで使用できます。

少量しか残っていない場合は、砕いて家庭菜園の肥料にするのもおすすめです。

土壌に混ぜれば栄養になり、植物の根を強くしてくれます。

ほかにもさまざまな活用方法を試せるので、残った量に応じて使い道を絞り込んでみましょう。

ここでは、余った未使用の炭を活用する方法を4つ解説します。

水道水のカルキ臭を除去する

1つ目の活用方法は、水道水のカルキ抜きです。

日本の水道水は基準が厳しいため、何もせずとも直接飲むことができます。

しかし中には「水道管の老朽化が気になる」「カルキ臭が苦手」という方もいるのではないでしょうか。

そんな方におすすめの方法が、余った新品の炭を使ったカルキ臭の除去です。

炭はカルキ臭のもととなる塩素や有機物を吸着してくれるので、水道水のカルキ臭が気になる人におすすめです。

水道水を容器に注いで炭を入れておくだけで、カルキ臭がなくなって飲みやすくなります。

実際、販売されている水道水用の浄水器には、炭を使用しているも多く存在します。

家庭で炭を使ったカルキ抜きを行うときは、最初に炭を水洗いして、10分程度煮沸消毒してから使いましょう。

分量は、水1Lに対して50gの炭を入れます。

炭を入れた水道水は、きちんと保管していれば2週間前後は飲めます。

同じ炭は1~3か月程度なら繰り返し使えるので、少量でも長期的に活用できます。

再利用するときは、使用後に軽く洗って天日干してから使うことがポイントです。

炊飯器に入れて米を炊く

2つ目は、炊飯器に入れて米を炊く再利用法です。

炭を入れて炊飯すると、ご飯がふっくらと炊きあがります。

かまどで米を炊いていた時代から、炭を入れる方法は一般的でした。

炭を入れたほうがおいしく感じるのは、炭を加熱すると遠赤外線が発生して、内部からふっくらと炊けることが理由です。

また、水に含まれる不純物を、炭の細孔が吸着してくれる効果も期待できます。

炊飯で炭を使うときは、米2合に対して約20g~30gの分量がおすすめです。

使用する炭は事前に水洗いして、10分程度煮沸してから使いましょう。

同じ炭は1~3か月程度、繰り返し使えます。

水道水のカルキ抜きで使用する場合と同じく、使用後は軽く洗って天日干しすることが大切です。

浴槽のお湯をまろやかにする

3つ目の活用法は、浴槽のお湯をまろやかにする方法です。

炭を浴槽に入れておくと、水道水の不純物(塩素や有機物)を吸着してくれます。

更に、炭から溶け出したミネラルがお湯を弱アルカリ性にしてくれるので、お湯がまろやかになります。

炭をお湯で加熱することで、遠赤外線が発生して、体の芯からあたたまる効果もメリットのひとつです。

お風呂で炭を使用するときは、事前に水洗いしておきましょう。

そのまま入れると掃除が大変なので、洗濯ネットなどに入れて、浴槽に入れる方法がおすすめです。

使用後は水洗いして乾燥させれば、2~3か月は再利用できます。

表面の汚れが気になる場合は、週に1度の頻度でタワシでしっかりこすり洗いします。

まとめ

キャンプの焚火やBBQで使用する炭をホームセンターなどで購入すると、一度に10kg前後の箱しかない場合もあります。

ソロキャンプや少人数でのBBQでは、余らせることも多いのではないでしょうか。

余った炭は、正しい方法で保管すれば来年以降も使用できます。

また、一度使用した後の炭も、焚火の火付けや部屋の消臭剤、家庭菜園の肥料など、さまざまな活用方法があるので、捨てる必要はありません。

正しい保管方法と再利用方法を知って、これからも安全かつエコにキャンプの焚火やBBQを楽しみましょう。

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