キャンプの楽しみのひとつが、アウトドアならではの料理です。
定番のカレーや缶詰、BBQばかりしているという方は、ひと手間を加えた料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
限られた調理器具で本格的な料理をするためのコツが、スパイスを駆使することです。
この記事では、キャンプ飯におすすめの調味料やアウトドアスパイスを用途別に紹介します。
キャンプ飯は手軽なアウトドアスパイスを活用しよう
道具が制限されるキャンプでは、家のように手の込んだ料理は容易ではありません。
食材を切って焼くだけ、煮るだけ、缶詰に手を加えるだけ、という方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、振りかけるだけでさまざまな味を楽しめる調味料、アウトドアスパイスを使った料理です。
色々な調味料やハーブをブレンドしたタイプも多いので、1種類振りかけるだけでも奥深い味わいになります。
アウトドアスパイスを選ぶときのポイント
初心者さんの場合、アウトドアスパイスは1本あるだけでも十分です。
複数本あるとバリエーションが増えて楽しくなるので、色々試したくなったら徐々に増やしていきましょう。
しかし何十本も持って行くわけにはいかないので、お気に入りを料理や気分に合わせてチョイスして、荷物を最小限に抑えることも大切です。
アウトドアスパイスを選ぶときのポイントは、下記の3つです。
- 初心者でも扱いやすいか
- 汎用性はあるか
- 普段使いできるか
スパイスの中には、香りを引き出すために直前にミルや瓶の底で砕いたり、軽く炒めたりしなければならないタイプもあります。
キャンプで使用する場合は、複雑な下準備などがいらない、振りかけるだけのアウトドアスパイスが扱いやすくておすすめです。
肉にも魚にも(できれば野菜にも)幅広く使える味だと、1本でいろんな料理が楽しめます。
普段使いできるくらい美味しければ、なお良しです。
定番の人気アウトドアスパイス3種
一般的に家庭で使用されている商品も加えると、アウトドアスパイスの数や種類は多岐にわたります。
スパイスメーカーのほかに、アウトドアメーカーや個人商店などからも発売されているので、初心者の方にとっては何を選べば良いのかわかりにくい状況です。
そこで、まずは定番の「これさえ持って行けば間違いなし!」な、人気アウトドアスパイス4種類を紹介します。
最初は定番のうち1本から試してみて、ほかにどんな味や香り、用途のスパイスを揃えたいか検討してみましょう。
ほりにし
「ほりにし」は、和歌山県のアウトドアショップOrangeが販売するオリジナルのアウトドアスパイスです。
キャンプを楽しむ方の間では、アウトドアスパイスの代表格的な存在で、売り切れになることも多い商品です。
シーズンが来たら、売り切れる前に購入しておきましょう。
一部の店舗でも取り扱いがありますが、売り切れていることが多いため、通販での購入がおすすめです。
原料は塩をベースに20種類以上含まれており、ガーリックや黒胡椒、しょう油、陳皮、コリアンダーなど、スパイシーなアクセントや香ばしさが楽しめる組み合わせです。
味がしっかりしているので肉はもちろん、野菜炒めの調味料としても活用できます。
卵かけごはんのアクセントなど、他の料理に合わせるのも人気の使い方です。
ピリッとした刺激も味わいたいなら、赤唐辛子の量を増やして新たに青唐辛子やパプリカなどを加えた「辛口」タイプもあります。
マキシマム オリジナルスパイス
宮崎県の食肉専門店、中村食肉から発売しているスパイスです。
全国から人気食品が集まるカルディや成城石井でも取り扱われている、スパイスの定番的存在です。
人気で知名度がある分、シーズン前は売り切れになりやすいので、長期休暇中にキャンプしたい方は前もって購入しておくことをおすすめします。
肉を知り尽くしている専門店が開発したので、塩・胡椒にガーリックとスタンダードな原料をベースにした味で、焼肉やBBQに最適です。
また、かつお・昆布の出汁といった和風のテイストが入っており、スープやチャーハンの調味料としてもおすすめです。
アクセントが欲しい場合は、スタンダードなナチュラルタイプのほかに、わさび味、ゆず味もあります。
チャムスオリジナルスパイス
アメリカのアウトドアブランドCHUMS(チャムス)が開発した、アウトドアスパイスです。
化学調味料無添加なので、食材にこだわりのある人でも安心して使えるのが特徴です。
マイルドタイプの他、辛党向けにホットタイプもあるので、用途や好みに合わせて使い分けられます。
本場アメリカでは、アウトドア用のみならず肉塊へのもみ込みスパイスとして人気があります。
原料は食塩、オニオン、ガーリック、コリアンダー、セロリパウダー、ブラックペッパー、パプリカパウダー、パセリ、唐辛子の9種類のみです。
香味野菜を中心としたシンプルなブレンドにより、食材の旨味をしっかりと引き出してくれます。
肉や野菜など食材の調味料として使う他、バターと組み合わせてチャーハンの味付けに使用するのもおすすめです。
スープや揚げ物の調味料としても、使いやすい味です。
【食材・料理の系統別】おすすめのアウトドアスパイス・調味料
紹介した3種類は、どれも肉以外の料理にも活躍する優れものです。他のアウトドアスパイスも、似たように肉や魚、野菜など、いろんな食材に合うものが多く見つかります。
調理のバリエーションを増やしたいなら、前述の4種類の万能タイプに加えて、お気に入りを数本持って行くのもキャンプ飯を楽しむコツです。
ここからは、メインの食材や料理の系統ごとに下記のとおりグループを分けて、おすすめのアウトドアスパイスを紹介します。
- 和食好きにおすすめ
- 肉料理派におすすめ
- 魚を食べたい人におすすめ
- 野菜をがっつり食べたいときにおすすめ
- ご飯モノが好きな人におすすめ
それぞれ詳しく解説します。
和食好きにおすすめ
かつお・昆布の出汁の味や、しょう油の香ばしさなど、食材の旨味を引き立たせる和風の味付けが好きな方におすすめのアウトドアスパイスは、次の2種類です。
和風旨味スパイス「テンマク」
栃木県を中心に展開するアウトドアショップ「WILD-1」の1事業、テンマクデザインが開発した、和風のアウトドアスパイスです。
かつお、昆布、醤油など和風の旨味と、洋風スパイスが絶妙に組み合わさった味わいが特徴です。
ガーリックやコリアンダーが入り、和風の奥深さにがっつりとした味わいも加わっています。
肉や魚料理に使用するほか、チーズと合わせて食べるのもおすすめです。
シンプルにご飯と混ぜ合わせたり、振りかけたりして、おにぎりの味付けにも使えます。
WASABBQ 太陽と青空のわさび
わさび漬で有名な田丸屋本店が開発した、アウトドアスパイスです。
一般的なアウトドアスパイスとの違いは、かつおや昆布などの出汁系に、ワサビによる爽やかなアクセントが加わっていることです。
和風出汁の旨味、にんにく、塩胡椒といった定番の原料と相まって、わさび特有の辛味はマイルドで、苦手な人にも優しい味に仕上がっています。
調理時に素材へ揉み込む必要がなく、振りかけるだけで手軽に使用できるのも魅力です。
焼き上がった肉や魚に振りかけるほか、チーズを使用した料理にもおすすめです。
また、豆皿などに少量出して、つけ塩スタイルでも楽しめます。
肉料理派におすすめ
キャンプ飯の代表格といえば、BBQなど肉料理を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
シンプルに炭火で焼くのも美味しいですが、「最近、単調な味に飽きたな」と思っている方もいるでしょう。
そんなときは、アウトドアスパイスで手軽に楽しめる味変がおすすめです。
肉料理派の方におすすめのアウトドアスパイスは、次の2種類です。
黄金比率の万能すぱいす「まっくす」
人気インフルエンサー、キャンプ料理人まっくすが手がけるオリジナルブランド「MAX CAMP」から発売しているアウトドアスパイスです。
ほりにしと同じく、キャンパーの間で話題となっています。
まっくすの特徴は、複数の魚の旨味を楽しめるブレンド内容です。
さば、いわし、そうだかつお、むろあじの混合削りぶしを配合した、日本人好みの味に仕上げられています。
塩胡椒やガーリック、シナモンなどの香味に加えてパプリカや唐辛子もブレンドされているので、単純な魚の味だけではなく、奥深い風味が楽しめます。
「どれにかけても同じ味」になるのではなく、それぞれの素材の旨味を引き出す配合を目指して開発されており、肉はもちろん魚や野菜にもおすすめです。
しっかりとした味に仕上がっており、単品でパスタの味付けにも使えます。
洋風の味に飽きた方や、定番のかつお・昆布出汁とは別の味に挑戦したい方は、混合削りぶしの奥深い味が特徴な「まっくす」を試してみてはいかがでしょうか。
黒瀬のスパイス
肉好きキャンパーの中で高い知名度と人気を誇るアウトドアスパイスのひとつが、「黒瀬のスパイス」です。
福岡県の鶏肉専門店「かしわ屋くろせ」が開発しただけあり、牛や豚にはもちろん、鶏肉によく合う味に仕上がっています。
塩胡椒、ガーリック、コリアンダーといった主力の原料に加えて、しょう油、レッドベルペッパー、グリーンベルペッパー、マジョラム、オレガノ、バジルなどもブレンドされています。
ちなみにレッドベルペッパー・グリーンベルペッパーはどちらもカラーピーマンのことで、唐辛子とは異なる辛味が加わって奥深い味わいになっていることが分かります。
西洋・東洋の10種類以上のスパイスを組み合わせており、肉だけではなく、魚にもおすすめです。
しっかりとした味わいは、焼きそばの味付けにも使えます。
魚を食べたい人におすすめ
キャンプでは釣りも楽しみたい、という方は、釣果をその場で調理できるスパイスもおすすめです。
和洋問わず、魚料理が好きな方にぴったりのスパイスとして、次の2つがあげられます。
Fista アウトサイドハーブスパイス
スパイスの有名メーカーGABANと、快適生活研究家の田中ケンがタッグを組み、アウトドアに最適な調味料として開発されたのが「Fista アウトサイドハーブスパイス」です。
スパイス専門のGABANらしく、しっかりとハーブの香りがするので、魚料理にぴったりです。
ガーリックがよく利いており、20種類近い原料がブレンドされているので、肉や野菜とも合わせやすい万能タイプでもあります。
塩と粉末醤油も配合されているので、1本でしっかりと食材の旨味が引き立ちます。
LOGOS LAND BBQスパイス
アウトドア用品で有名なLOGOS(ロゴス)のオリジナルスパイスです。
最大の魅力は化学調味料(アミノ酸)不使用な点で、こだわりたいファミリーも安心して活用できます。
塩やガーリック、しょう油をはじめ15種類以上の原料がブレンドされているので、味わいはしっかりとしています。
照り焼き風味の味に仕上がっているので、定番のスパイス味に飽きた方にもおすすめです。
肉・野菜はもちろん、魚介類にもよく合います。
また、鶏肉に揉み込んで唐揚げの味付けにも利用できます。
野菜をがっつり食べたいときにおすすめ
キャンプ中もカロリーコントロールをしっかりしたい方や、野菜好きの方は、肉や魚以外の食材にも幅広く使えるアウトドアスパイスがおすすめです。
野菜好きの方にぴったりのアウトドアスパイスは、次の2つです。
どんなときもスパイス
北海道のアイビック食品が開発した、どんな食材にも合うアウトドアスパイスです。
野菜はもちろん、肉の下味付けや、卵料理にもよく合います。
20種類以上の原料をブレンドしており、シンプルにカットした野菜に振りかけるだけでも美味しさを感じられます。
また、チャーハンやパスタの味付けとしてもおすすめです。
バゲットを焼いて、バターを塗った上から振りかければ、お手軽ガーリックトーストになります。
クリスピースパイス ペパー
中華・エスニック用の調味料を中心に開発してきたユウキ食品による、ザクザク食感が楽しいアウトドアスパイスです。
ザク切りのナッツやスパイスが豊富にブレンドされており、美味しい歯ごたえを演出してくれます。
牛・豚・鶏はもちろん、香り高いガラムマサラがラム肉にも合わせやすい味に仕上げています。
独特のザクザク食感を楽しむなら、サラダにかけて食べるのがおすすめです。
ほかにはシンプルに炒め物や、ポテトサラダに混ぜても美味しく味わえます。
ご飯モノが好きな人におすすめ
お米好きな方は、キャンプならではのご飯モノも楽しみたいのではないでしょうか。
ご飯もしっかり味わいたい方におすすめのアウトドアスパイスは、下記のとおりです。
極上スパイス 喜
宮崎県の食肉専門店「肉のふくしま」が開発した、万能タイプの調味料です。
塩胡椒やガーリックに加えてしょう油、パプリカなど15種類以上の原料をブレンドしており、肉料理だけではなく、さまざまな食材に合います。
有名カメラマンがテレビで紹介したこともあり、高い人気と知名度があります。
肉や魚、野菜に振りかけるほか、パスタの味付けや卵と合わせてチャーハンの調味料としてもおすすめです。
まとめ
アウトドアスパイスは、多くの原料をブレンドした複雑な味わいが魅力です。
いずれも魚介系の原料を多く含んだり、和洋のハーブをブレンドしたりと、オリジナリティあふれる味付けになっているので、複数を試して自分に合った1本を見つけてみてください。
人気商品は売り切れになることも多いので、興味のあるアウトドアスパイスは早めに購入することをおすすめします。