山林投資で考えられる収益源と購入時の注意点

不動産投資の対象は、オフィスビルや住宅だけではありません。

近年のアウトドアブームや固定資産税の安さも影響して、山林投資を検討する人も多いです。

  • 山林投資は何が収益になるの?
  • 投資用の山林はどこで購入する?
  • 山林購入時に注意すべき点とは

今回は山林投資に興味がある方を対象に、上記3つのポイントを中心に収益化する方法や投資の始め方を紹介します。

山林投資の収益源は何があるのか

山林は数ヘクタールの面積を手頃な価格で購入できるケースも多く、少ない元手で始められる投資方法のひとつです。

山林投資で収益を得る方法は、多岐にわたります。
ここでは、山林投資における代表的な収益源を5種類紹介します。

山に生えている木材の販売

山林投資の定番といえば、生えている木材の販売です。

木材の販売とひとくちに言っても、その方法は下記のように複数あげられます。

  • 既存の立木を販売
  • 育てた木を伐採して販売
  • 事故リスクの高い木材のみを販売

林業を営んでいる会社に、山林の立木を調査・手入れしてもらうついでに買い取ってもらう方法があります。

売り出されている山林の多くは手入れが行き届かず、放置されているものが大半です。
健全な山林を維持するためには適度な伐採などの手入れが必要なため、自力もしくは業者に依頼して定期的な保守活動を行わなくてはなりません。

山林の手入れで出た間伐材は、状態が良ければ木材として販売できます。

また、林業を営んでいる会社と提携して、植林と伐採、木材売却までを一貫して行う方法もあります。
ただし植林から伐採まで30年以上の期間を要するため、短期的な収益化を狙う方には向いていません。

本格的な伐採や植林は避けたいという方は、業者に依頼して事故リスクの高い立木のみを伐採・買い取りしてもらうのも良いでしょう。
たとえば大雨で地盤が緩んだときに倒れそうな立木や、すぐ下に他人の民家や畑などがある土地の巨木など、倒れるとトラブルになりかねない場所のみ伐採する方法です。

定期的な収益化にはつながりにくい方法ですが、伐採した木材は売却することができます。

電柱・鉄塔設置の収入

発電所から市街地までの間にある山林や、昔は近隣に集落があったという場所には、電柱や鉄塔が設置されていることがあります。

自分の土地に電柱・鉄塔が存在する場合、電力会社から電柱・鉄塔設置に関する借地料や線下補償料が支払われます。

  • 電柱敷地料:電柱や鉄塔を設置するための土地の借地料
  • 線下補償料:土地の資産価値が低下することへの補償料

電柱敷地料は、その名のとおり電柱や鉄塔を設置している敷地に対して支払われる借地料です。
地目によって料金は異なり、山林であれば電柱1本につき200~300円程度、宅地や田畑となっている場合は電柱1本あたり1,500円以上となることもあります。

線下補償料は、電柱や鉄塔が近隣にあり、土地の上空を高圧線が横切っている場合に支払われる補償料です。
高圧線のある土地は資産価値が低下して売却しにくくなるため、補償料が発生します。

具体的な料金は地域や横切っている高圧線の種類などによって異なり、1か月あたり数千円程度が相場です。

ただし山林の元の持ち主(売主)が、過去に権利(地役権)を電力会社などに売り渡している場合は補償料を受け取れないため、事前確認が必要です。

しいたけなどきのこ類の生産

山林の適度な湿気や日照量などが、きのこ類の栽培に適していることがあります。

原木を利用する方法のほか、開けた場所にパイプハウスを設置して菌床栽培することも可能です。
きのこ類の生産は新規就農者にとってハードルが低く、わずかな土地でも安定した収入が得られることで人気です。

たとえば代表的なしいたけは、コナラ、クヌギ、シイなどの原木があれば栽培できます。
近隣の道の駅や商店に卸したり、通信販売やフリマアプリでオンライン販売したりと、収量に合わせた方法で販売しましょう。

しいたけ以外にも、山林やパイプハウスではエノキ、まいたけ、ぶなしめじ、ナメコなど、さまざまな種類のきのこ類を生産できます。

キャンパーなどレジャー目的の貸出

木材を必要以上に伐採したくない・面倒な栽培はしたくないという方は、できる限り山林に手を加えない方法で収益化できる、レンタル事業がおすすめです。

アウトドア需要が高まっている最近は、人気のキャンプ場ほど予約が取りにくくなっています。

キャンプを趣味とする人の中には、「ひとりで誰もいない自然の中でキャンプしたい」「人が多いキャンプ場は雰囲気がなくて嫌だ」と考える人もいます。
自然環境を満喫したいキャンパーに対して山林を貸し出す方法なら、大規模な開拓は必要ありません。

本格的にキャンプ場を開く選択肢もありますが、初期費用を抑えたいのであれば、あえて手を加えず自然のままの状態を楽しんでもらいましょう。

キャンパーに気に入ってもらえれば、月単位や年単位で長期契約を得られる可能性もあります。

マウンテンバイクのトレイルコース設置

斜面になっている部分や悪路が多く、テントを建てるような場所がない山林は、マウンテンバイクのトレイルコースを設置する方法があります。

日本の山林は国有地と私有地の2種類に分かれるため、多くのマウンテンバイカーは練習場探しに大変な思いをしています。
限られた場所で練習しているマウンテンバイカーに対して、所有している山林をトレイルコースとして貸し出してはいかがでしょうか。

所有者から直接借りた私有地なら、他のハイキング客や登山客とのトラブルを避けつつ、堂々と練習できると喜ばれます。

収益化の方法をある程度絞ったら、次は投資用の山林を探しましょう。

山林を購入する手段は大きく3つ

山林を購入する手段は、主に以下の3つがあげられます。

地元の不動産業者に紹介してもらう

山林も建築物と同じく、地元の不動産業者のほうが多くの情報をもっています。
収益化する方法に合った広さや環境の山林がないか、問い合わせてみる他、不動産収益に関するセミナー会場で直接交渉する方法もあります。

地元の不動産業者なら、所有者が持て余していて「安くても良いから売りたい」「いっそのこと無料で良いから手放したい」と相談を受けていることも多く、掘り出し物が見つかります。

地元の森林組合から紹介してもらう

持て余している山林のことを、地元の森林組合に相談している人も多いでしょう。
不動産業者の取り扱い案件に魅力的な山林がない場合は、森林組合を介して所有者を紹介してもらう方法も効果的です。

入手後の登記内容の変更など、組合ならではのサポートも受けられます。

山林売買のウェブサイトから探す

面倒な手続きもサポートしてもらいたい方は、山林売買のみを専門に扱う業者の活用がおすすめです。

山林売買に特化したウェブサイトを運営している場合が多く、わざわざ現地に行かなくとも、事前にどのエリアにどの程度の面積の山林があるか知ることができます。

投資用の山林購入の注意点

山林投資で成功させるためには、慎重な山林購入が前提条件です。

最後に、投資用の山林を購入するときに注意すべきポイントを4点紹介します。

木材販売を狙えるのは数%の私有林しかない

木特有のぬくもりなど、木造建築の魅力が見直された近年は、国内外で木材の需要が高まっています。

一方で、個人所有の山林は手入れが不十分だったり面積が狭かったりと、想定したとおりの木材販売を行えない場合が多いものです。
長期的に木材販売で収益化を目指すとなると、林道の整備や、正常な伐採・植林(再造林)サイクルの確立が欠かせません。

しかし伐採した木材を運んだり、新たに植林したりできる広さをもつ私有林は、ごくわずかです。

一時的な収入を得られても、個人所有レベルの山林で、木材販売を長期的な事業として安定させるのは難しいでしょう。

木材販売を収益の要とするのであれば、長期的に事業継続できるか、黒字化の目途は立つか、慎重に検討することが大切です。

隣地との境界が明確か確認する

山林投資でネックとなりやすいのが、隣地との境界が曖昧なケースです。

たとえば木材販売を目的とする場合、境界が曖昧な状態ではどこからどこまで自分の所有物として伐採・売却して良いのか分かりません。
誤って他人の土地で伐採した木材が、実は大切に育てていた木だったとなれば、賠償責任を負うこととなります。

ただ相続して放置するだけなら境界が問題となることは多くありませんが、投資用に山林を購入するのであれば、必ず隣地との境界が明確となっているところを選びましょう。

市街化調整区域や保安林でないか確認

自分が所有していても、資源を自由に活用できない場合があります。

市街化調整区域にある山林や、保安林に指定されている山林は、管理方法に注意しなくてはなりません。

  • 市街化調整区域:市街化を抑制している区域
  • 保安林:災害対策などの目的で保安が求められる森林

市街化調整区域は市街地から外れた農地などが多いエリアで指定されていることが多く、原則として建物の建設が認められていない区域です。
保安林は、周辺の生態系保護や災害対策、景観などの目的で、適切な管理を義務付けられている森林です。

市街化調整区域が自由に建物を建設できないことと同じように、保安林も所有者が自由に伐採したり動植物を採取したりすることはできません。
行政の許可が下りれば建設や伐採などができますが、収益化を前提とした利用は困難です。

投資目的で山林を購入するときは、市街化調整区域や保安林に指定されていないかどうかを確認しましょう。

維持・見回りを依頼できる森林組合がある地域か

山林所有者は、管理不足によって災害などのトラブルが起こらないよう、普段から適切に山林を管理する義務があります。

一方で、知識や技術がない人にとっては、山林の適切な管理は難しいものです。
本人や身内に山林管理できる人物がいないときや、遠方在住で現地に来ることが困難なときに頼りになるのが、定期的な見回りや維持活動をしてくれる森林組合です。

森林組合とは、森林所有者が出資者かつ組合員として所属している、各地域の協同組合をさします。
森林組合法によって設立されており、たとえば京都府には20団体、大阪府には1団体(16団体が併合)の森林組合が存在しています。

各組合で事業内容が異なるため、購入予定の山林がある地域に「維持・見回りを代行してくれる森林組合」があるかどうか確認しておくことが大切です。

山林投資をお考えなら、YAMAKASにご相談ください

山林投資は収益性に加えて、収益化までのタイムラグや事業を継続するためのランニングコストも含めて慎重に検討する必要があります。
木材を売却できるほどの面積がない方や、下手に伐採して災害リスクを上げたくない方は、自然な状態を維持しつつ収益化できる方法がおすすめです。

たとえば個人向けのキャンプ場として貸し出しを検討している方は、ぜひYAMAKAS(ヤマカス)にご相談ください。
YAMAKASは、ソロキャンパーと山林貸し出しを希望するオーナーのマッチングサービスを提供しています。

山林の維持・見回りのプロである林業事業体とも提携しているため、初めて投資用の山林を購入する方も安心してお任せいただけます。

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