初めて野営に挑戦する方が直面するのが、トイレ問題です。
「山の中なら、穴を掘って済ませれば良いのでは?」と考える方も、多いのではないでしょうか。
- 野営時の排泄は携帯トイレがおすすめな理由
- 携帯トイレの基本的な使い方
- 野営時の排泄を快適にするおすすめグッズ
今回は野営時の排泄について、3つのポイントを中心に解説していきます。
野営時に排泄する際は基本的に携帯トイレを
野営時の排泄は、基本的に携帯トイレを利用しましょう。
キャンプ場として整備されている場所と違い、野営地は自然がそのままの状態で残されています。
水道や調理場、BBQ場もなければ、シャワーやトイレといった衛生設備もいっさいありません。
そんな環境で野営を楽しむキャンパーたちは、どこで用を足すのかというと、持ち込んだ携帯トイレが一般的です。
山林は、国有地もしくは私有地のため、国の土地もしくは他人の土地を排泄物で汚染することとなります。
自分が所有する山林でない場合は、ルールを守って携帯トイレを持参しましょう。
携帯トイレの使い方
携帯トイレとは、上下水道の設備がない環境で使用できる簡易トイレのことです。
さまざまな形状の携帯トイレが販売されていますが、携帯性を考えると便座部分は持ち込まず、排泄物を入れる便袋(ビニール袋)のまま使用すると良いでしょう。
携帯トイレの基本的な使い方は、次のとおりです。
- 便袋を広げて地面に置く
- 吸水凝固剤(高吸水性樹脂など)または新聞紙を便袋内に敷く
- 用を足す
- 便袋の口を縛り、防臭袋に入れる
- 持ち帰って燃えるゴミとして処分する
野営で一泊以上過ごすとなると、複数回分の便袋を保管することとなります。
撤収時はすべて持ち帰る必要があるため、袋の口を縛るときは可能な限りコンパクトにすることがポイントです。
小・大のどちらをするかによって、便袋に敷く吸水凝固剤(高吸水性樹脂など)や新聞紙の量を調節すると、ゴミの量を抑えられます。
携帯トイレは、あらかじめシート状の吸水凝固剤が便袋内に貼り付けられているタイプや、用を足した後に凝固剤をふりかけるタイプも販売されています。
利用者が多い山林では、下山口に便袋用の回収ボックスが設置されている場合もあります。
携帯トイレがない場合は穴をほって処理を
携帯トイレがない場合や、緊急を要するときは、その場で用を足すしかありません。
やむを得ず地面に用を足す場合は、以下の点に注意しましょう。
- 穴をほって用を足す
- 最後はしっかりと土をかぶせる
- 使用したトイレットペーパーは持ち帰る
- 水場周辺は避ける
野営地でそのまま用を足すときは、先に穴をほっておきます。
深さ10~20cm程度があると、土中のバクテリアが活発に動きやすく、排泄物を分解してくれます。
用を足した後は、バクテリアの分解を促したり人目を避けたりするためにも、土をかぶせておくことがマナーです。
トイレットペーパーを放置したり、埋めたりすることも避けてください。
木が原料なためトイレットペーパーもスムーズに分解されると思われがちですが、実際は分解までに長い時間を要します。
自然環境の中で真っ白はトイレットペーパーが捨てられていれば、非常に目立つでしょう。
トイレットペーパーを使用する場合は埋めたりせず、必ず持ち帰るように注意してください。
また、川や泉などの汚染を防ぐため、水場から可能な限り離れて用を足すことも大切です。
携帯トイレといっしょに使う便利グッズ
荷物に余裕があれば、携帯トイレを利用するための目隠し用にポンチョやテントを持ち込むのも良いでしょう。
着替え用のテントやツエルトなら、準備から用足し、排泄物の処理までスムーズにできます。
ほかにも、携帯トイレと一緒に使うと便利なグッズとして、次の2点があげられます。
携帯シャワー
普段シャワートイレを使用している方におすすめのグッズが、携帯シャワーです。
携帯シャワーはペットボトルに取り付けて使用するパーツタイプのものもあれば、柔らかいボトルつきのタイプもあります。
トラブルで携帯トイレやトイレットペーパーを使い切ってしまったときなど、地面に直接用を足すことになった場合も、携帯シャワーがあれば陰部の汚れを落とせます。
ただし、使い方によっては持ち帰る便袋の重量が増すことに注意してください。
防水対策済のトイレットペーパー
野営地では、濡れやすいグッズの防水対策が欠かせません。
トイレットペーパーも事前に防水対策を施したうえで持ち込みましょう。
潰したトイレットペーパーの外側を布ガムテープで包むだけで、防水対策の完了です。
ペーパーを引き出す上部のみ残して、底面もしっかりと包むと、防水性がアップします。
持ち運び時は防水袋に入れておくこともポイントです。
用を足すときは、トイレットペーパーをロールの内側から引き出して使います。
まとめ
野営時は、基本的に携帯トイレを使用しましょう。
自分の所有地内であれば問題にはなりませんが、他人の私有地や国有地で勝手に排泄物を地面に埋めることは、軽犯罪法違反となることがあります。
帰宅時に排泄物を持ち帰ることに抵抗感があるかもしれませんが、きちんとした手順で処理をして便袋や防臭袋を使用していれば、中身・においが漏れる心配はありません。
携帯トイレの使い方を身に付けておけば、さまざまな場所で気持ちよく野営を楽しむことができます。