親や親戚から相続する不動産の中で、最も扱いに困るのが山林ではないでしょうか。
買い手を探す方法もありますが、収益化を検討する方法もおすすめです。
- 山林の活用方法を知りたい
- 活用方法それぞれの注意点を知りたい
- 売却以外の方法で収益は得られるのか不安
上記のような要望や不安を持っている方へ、ここでは山林の主な活用方法と、それぞれの特徴や注意点についてご紹介します。
山林の活用方法3選
相続した山林は放置しておくよりも、何らかの方法で活用することをおすすめします。
山林も固定資産税の課税対象となっており、所有するだけで毎年いくらかのコストがかかってしまいます。
しかし、活用方法によっては山林自体が収益を生み出すため、固定資産税をまかなうことも不可能ではありません。
山林の活用方法は、次の3つがあげられます。
山林の活用方法1:林業を営む
第一の山林活用として、新規で林業を始める方法があります。
スギ・カラマツなど木材としての需要が高い木々が育っているのであれば、林業への参入を検討してはいかがでしょうか。
林野庁が公表した資料によると、以前まで木材需要は減少傾向にあったものの、近年は合板用の国産材や製材用材、パルプ・チップ用材などを中心に僅かながら需要増加を見せています。
かつては東南アジアやロシアからの輸入に頼っていた合板用材の供給量が、2000年から2008年までの8年間で15倍に成長したほど、活発な産業となりました。
2018年には、前年とともに2年連続で木材需要全体の需要が若干増加しています。(出典:林野庁「森林・林業白書」)
ただし、林業は重機の購入など多額の初期費用がかかり、収益化まで時間と労力を要する方法です。
急斜面が多いなど、木材の運搬が困難な場合は林業を営むこと自体が不可能となります。
事前に林業が可能な地形かどうか、専門家に見てもらいましょう。
山林の活用方法2:メガソーラーを設置する
第二の活用方法が、山林の広い土地を利用したメガソーラーの設置です。
メガソーラーとは、1MW(1000kW)以上の出力をもつ太陽光発電システムのことで、実際に遊休地や休耕地など広い土地を利用できる方法として、一定の人気があります。
売電事業のため、住宅の屋根に取り付ける太陽光発電のように天候や時間帯による発電量の不安定さを心配する必要はありません。
1000kWのメガソーラーを1年間運用した場合、一般的な発電量は100万KWh前後(約300世帯の年間消費電力量に相当)です。
ただし近年は電気の買取価格が下落傾向にあるため、将来に渡ってコストに見合った収益を安定的に得られるとは限りません。
また、メガソーラーは、2ヘクタール以上の広さがある土地でなければ設置は困難です。
導入時の工事に加えて定期的なメンテナンス(除草など)も生じることから、メガソーラーの設置はコスト的な負担も考慮したうえで検討しましょう。
コンクリートを敷き詰めるとメンテナンスの手間を軽減することはできますが、初期費用が高くなります。
山林の活用方法3:人に貸し出す
第三の活用方法は、人に貸し出してレンタル料として収益を得る方法です。
用途によっては山林を切り崩したり、育っている木々を必要以上に切り倒したりすることなく維持できるメリットがあります。
また、林業やメガソーラーのように多額の初期費用をかける必要もありません。
近年はさまざまなアウトドアで山林需要があり、グループで利用する人もいれば、ひとりでの利用を希望する人もいます。
注意点は、収益に波が出る可能性もあることです。
林業やメガソーラーのように継続的な収益を確保できるとは限らないため、固定資産分だけ得られれば良い方におすすめです。
人に貸し出す際の活用方法
山林に大幅な手を加えることなく、人に貸し出す方法はさまざまです。
独特の地形を活かしてマウンテンバイクの練習場にしたり、ドローンの練習場にしたり、近年人気のプライベートキャンプ場にしたりすることもできます。
この項目では、上記の3つの方法それぞれの特徴について解説します。
活用方法1:マウンテンバイクの練習場にする
近年はスポーツ用自転車に興味を持つ方が多く、マウンテンバイクも幅広い年齢層に人気です。
人気がある一方で、マウンテンバイクの練習に関するトラブルも少なくありません。
ハイカーとの接触による事故のおそれもあり、一部の登山道ではマウンテンバイクの乗り入れが禁止されているほどです。
マウンテンバイクは、オフロードと呼ばれる凹凸が激しい道や、山林を走り抜けることを楽しむスポーツです。
貸し出しのために山を切り崩す必要がないうえ、うまくいけば社会人サークルなど団体と契約できる可能性があります。
ただし、悪路に強いとはいえマウンテンバイクを走らせる以上、ある程度の整備は必要です。
また、スポーツの特性上、許可した道以外に侵入されたり山肌をマウンテンバイクで削られたりするリスクが多少あることを理解したうえで貸し出さなくてはなりません。
活用方法2:ドローンの練習場にする
山肌を削られたくない方や、大幅な整備を行うことが困難な方は、ドローンの練習場として貸し出す方法もあります。
ドローンとは、遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機全般をさす言葉です。
近年はドローンと言えば、個人が趣味で飛ばすことのできるトイドローンやホビードローンをさします。
手軽に上空からの映像や写真を撮影できる点が注目を集め、ラジコンとしてだけではなく、撮影道具のひとつとしても人気です。
一方で、盗撮や落下などのトラブルが相次いだことにより、一部の区画ではドローンを飛ばすことが禁止されるようになるなど、遊べる範囲が限定されつつあります。
そのような方のために、山林をドローンの練習場として貸し出してはいかがでしょうか。
大幅に山林へ手を加えることなく貸し出すことができるうえ、マウンテンバイクと同様に社会人サークルなど団体と契約できれば、定期的な利用が期待できます。
注意点として、ドローンの飛行は空港周辺で飛ばすことや一定高度を超える場合は国土交通省の許可を必要とする点があげられます。
何も知らない素人に貸し出してトラブルとならないよう、貸し出し時は注意事項の事前確認を行いましょう。
活用方法3:プライベートキャンプ場として貸す
山林本来の魅力を味わってほしい方は、プライベートキャンプ場として貸し出す方法も検討してはいかがでしょうか。
プライベートキャンプ場として山林を貸し出すと、以下のようなメリットがあります。
- 山林に手を加える必要がない
- 騒音で近隣住民の迷惑になる心配がない
- 手続きなどの面倒が少ない
本格的なキャンプやソロキャンプを楽しむ人々の多くは、自然本来の姿を求めています。
グランピングのように、おしゃれな設備を取り入れる必要はありません。
最低限の整備はしつつも、初期費用や維持費を大幅に抑えながら山林を破壊することなく貸し出すことができます。
山林をキャンプ場として貸し出すときのポイントは、グループやファイミリー向けではなく、あくまでプライベートキャンプ場として貸し出すことです。
少人数の利用を想定した貸し出しに限定することで、騒音やゴミの大量投棄などのトラブルを避けられるため、近隣住民から苦情がくるリスクを軽減できます。
また、グランピングなどある程度の設備を整えた場合は、旅館業法の許可を取る必要がありますが、プライベートキャンプ場は面倒な手続きを必要としません。
手軽に山林を活用したい方は、プライベートキャンプ場としての貸し出しから始めることをおすすめします。
山林のキャンプ場活用ならYAMAKASにご相談ください
相続した山林をキャンプ場として活用したい方は、ぜひYAMAKASにご相談ください。
YAMAKASは全国各地のキャンプ場をソロキャンパー(個人利用者)向けに紹介し、貸し出しのサポートを行っています。
他社と大きく異なる点は、以下のとおりです。
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- 月や年単位の契約で維持費を獲得しやすい
利用者登録時は身分証明書を確認し、中級レベル以上のキャンパーのみを紹介するシステムです。
近年のキャンプブームで頻発している素人によるトラブル(ゴミの不法投棄や直火による地面の汚染など)のリスクを軽減できるため、安心してお貸しいただけます。
加えてYAMAKASに山林情報を掲載いただくための固定費はいっさいかかりません。
利用契約が生じた場合に仲介費のみをいただき、残りを全額山主様へお支払いします。
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キャンプ以外の活用方法についてもご相談いただけますので、まずはぜひ相続された山林についてご希望を詳しくお聞かせください。