ひとりで自由に出かけられるソロキャンプ。
ただソロキャンプにも数多くのスタイルがあり最初はよくわからないものです。
この記事ではソロキャンプの様々なスタイルと必要になる道具、やりかたを解説していきます。
それぞれのスタイルのメリットとデメリットを理解して自分だけのソロキャンプスタイルを見つけましょう。
ソロキャンプで最低限必要な道具リスト
ソロキャンプで必要になる道具は基本的にグループキャンプと違いはありません。
ですが大きな違いが一つだけあります、すべての道具をひとりで使うということです。
だから自分に適した大きさのものを選んでいく事になります。
ここではソロキャンプに必要な道具の基本的知識を解説していきます。
テント
ポール1本で設営できるモノポールテントからドーム型テントまで色んな種類があります。
大きなテントをひとりで快適に使うのも、コンパクトなテントでミニマムに過ごすのもよいでしょう。
ですが必ず自分ひとりで設営できるものを選んでください。
はじめてのソロキャンプの前に試し張りにデイキャンプに行くのもおすすめです。
張り方がよくわからなくて無理に立ててしまいポールを折ってしまうなんてトラブルも避けられます。
シュラフ(寝袋)&マット
シュラフは季節にあわせて、少し余裕のある暖かさのものを選びましょう。
同じキャンプ場でも川の近くだったり林間エリアだと天気予報の最低気温より冷える場合があります。
予報最低気温より10度気温が下がっても余裕を持って対応できるシュラフを用意をしましょう。
急な天候や温度の変化に対応するにもひとりなので自分の持ち込んだものしかありません。
場合によっては毛布やブランケットをサポート用に持っていくともしもの時も安心です。
マットは寝心地もよくなりますがお座敷スタイルだとチェアの代わりに使うこともできます。
テーブル(必要ならチェア)
意外に必須アイテムと言えるのがテーブルです。
スタイルによって必要になるテーブルは変わってきますが、どのスタイルでも大活躍します。
キャンプ場の環境によっては雨で地面がぬかるんだりしてコンディションは様々です。
そんな時にもテーブルがあれば比較的快適に過ごすことができます。
特にハイスタイルやロースタイルでのキャンプをするのならチェアと一緒に必須アイテムです。
ランタン
キャンプ場の夜は当然暗いのでランタンは必須アイテムです。
ランタンには様々な種類がありますが、最近はUSB充電できるLEDランタンが比較的安価に買えます。
当然おしゃれなオイルランタンなども選択肢に入ります。
ソロキャンプで何より大事になるのは複数個持っておくことです。
メインランタンの他にサブランタンやヘッドライト等の光源をもっていくとよいでしょう。
熱源(焚き火台・バーナー・固形燃料など)
焚き火をするのなら焚き火台、炭火調理をするのならグリル。
メスティン炊飯をするなら固形燃料とポケットストーブ、などとやりたいことに合わせて熱源はかわります。
ですがシングルバーナーはひとつ持っておいて損はないアイテムです。
極寒の季節以外なら安定して熱を生み出してくれるので、お湯を沸かす場合などは持っておくと良いでしょう。
ガスの気化温度より気温が低いと寒冷地用のガス缶を使用しないと火がつかない場合があります。
この現象をドロップダウン現象といいます。
ですので寒冷地では各メーカーのシングルバーナーに対応しているハイパワー缶を使用しましょう。
ガス缶は各メーカーによりブタン・イソブタン・プロパンの配合比率が違うので事故を防ぐためにも必ず対応した正規品を使ってください。
調理用品
アウトドアクッカーや食器類、ナイフやまな板に至るまで必要なものはやることで変わります。
特に熱源との組み合わせでクッカーは組み合わせが変わるので注意しましょう。
焚き火調理をする時はスキレットや鉄製のフライパンなど鉄製のクッカーをおすすめします。
鉄製のクッカーは熱をため込む特性があるので安定しない焚き火の熱量を効率的に使うことができます。
破損しにくいのもおすすめする理由のひとつです。
ガスストーブで調理をする時はアルミ・ステンレス・チタンのクッカーをおすすめします。
これらのクッカーはガスやガスストーブと合わせて収納できるようになっている物が多いので、ガスストーブの破損を防ぎながら持ち運ぶことができます。
鉄製のクッカーは熱をため込む特徴があるので、ガス缶に熱がうつり爆発の危険性があります。
どんな時でも入れておくと便利なのが小さめのトングです。
金属製のカトラリーも安心感が変わるのでおすすめです。
プラ製や木製のカトラリーは性質上溶けたり燃えたりして破損してしまう可能性があります。
金属製のカトラリーは破損しにくく、調理に使うこともできるのでひとつは持っておくとよいでしょう。
ソロキャンプの道具選びはまず移動手段・行きつけのキャンプ場を決めるところから
ソロキャンプのスタイル選びには移動手段や使うキャンプ場の特徴も関係してきます。
交通手段で荷物の量、買い出しにいける距離なども大きく変わってきます。
キャンプ場にどのような設備があるのか、薪販売の有無、炊事場に洗剤やスポンジがあるのかどうかも大きな違いの一つです。
まず自分の移動手段を決めて、どのような設備のあるキャンプ場が必要になるのかを考えましょう。
ソロキャンプへ行く交通手段は何を使うのか
車で行くのかバイクで行くのか、自転車を使うのか公共交通機関を使うのか。
それによって持ち運べる荷物の量に違いがあるので自然とスタイル選びに関わってきます。
大きさにもよりますが、車は一番制限が少なく自由度が高い交通手段です。
荷物が多くなりがちなハイスタイルでも余裕があり、買い出しした食料の持ち運びに困ることもありません。
バイクの場合は、荷物の重さには余裕がありますが積載量に限界があるので小さめのアイテムを選ぶことになります。
自転車でのキャンプはバイクより更に軽さとコンパクトさが必要になってきます。
公共交通機関を使う場合はルールの範囲内でザックやキャリーなどで荷物を運ぶことになります。
食料品を買い出しすると更に荷物が増えるのでできるだけコンパクトな荷物にしたほうがよいでしょう。
以上を踏まえて交通手段にあわせた道具選びを心掛けてください。
行きたいキャンプ場にあるもの・そこでできることを確認しよう
キャンプ場にも様々なスタイルがあり車を横付けできないキャンプ場も多くあります。
車を横付けできないキャンプ場では駐車場からサイトまで荷物を運ぶ必要があるので注意しましょう。
ひとりですべて運ばないといけないので、大きなクーラーボックスなどを持ち込むと苦労することになります。
自分が今度よく行くことになるであろうキャンプ場の情報を調べてそれにあった道具選びをしましょう。
道具選びをする上で特に気を付けておくとよい点は以下の通りです。
・トイレ・トイレットペーパーの有無
無ければ携帯トイレやトイレットペーパーを持ち込む必要があります。
・ゴミの持ち帰りの有無
ゴミを持ち帰る必要のあるキャンプ場では帰りの荷物量に変化が出ます。
・炊事場の洗剤とスポンジ等の有無
ない場合スポンジと洗剤を持ち込む必要があります。
・薪を含む販売品の内容と時間
薪の持ち込みの必要があるかどうかは大きなポイントです。
・水が飲用に適しているか
適していない場合飲料水や調理用の水を持ち込む必要があります。
・車が横付けできるか
できない場合荷物を運ぶ方法も考えなくてはなりません。
・自分の交通手段で一番近いスーパーやコンビニ
キャンプ場近くにない場合は食料などをあらかじめ購入して持ち込む必要があります。
事前情報の有無で持ち込む道具に大きな差が出てきますので注意しましょう。
ソロキャンプ道具を運ぶ手段は?ザック? キャリー? ワゴン?
公共交通機関を使ってソロキャンプをする際に特に大事になるのが荷物を運ぶ手段です。
ザックにすべて積み込む場合は自分の体力にあわせて荷物を軽量化することをおすすめします。
キャリーを使用する場合はザックを使うより多く荷物を運ぶことができます。
ザックとキャリーを併用すれば更に多くの荷物を運ぶことができます。
車でキャンプをする時にワゴンを入れておけば車が横付けできないサイトでも安心です。
ですがどの場合も階段や急な斜面などで苦労することがあるので事前の下調べが大事です。
キャンプ場の情報をインターネットやSNSで調べると他のキャンパーの口コミなどが見つかりますので参考にしましょう。
ソロキャンプでハイスタイルを選ぶメリット・デメリット
では実際どのような道具を選べばいいのでしょうか。
ソロキャンプは大きくわけてハイスタイル、ロースタイル、お座敷スタイルに分類できます。
ハイスタイルは座面が高めのチェアに合わせたスタイル。
ロースタイルは座面が低めのチェアに合わせたスタイル。
お座敷スタイルはチェアではなく地面にシートやマットを敷くスタイル。
ハイチェアでローテーブルを使うと使いにくいですし、ローチェアでハイスタイルのテーブルは使いにくい。
ですので道具を選ぶ時に自分に合ったスタイルを選ぶ必要があります。
それぞれのメリットやデメリットも解説していますのでスタイル選びの参考にしてください。
ハイスタイルの特徴
ハイスタイルとはご家庭で使うような座面の高いチェアに合わせたスタイルです。
椅子の高さに合わせてテーブルも高めになり、ゆったりとした快適な時間を過ごすことができます。
メリット
座面が高く立ったり座ったりしやすいので足腰への負担が少ないことが最大のメリットです。
同時にテーブルにも高さがあるので立ったままでも調理がしやすくなります。
細かく組み立てる必要のない道具が多いので設営と撤収がしやすく、大きさに比例して強度の高い道具が多いことも特徴的です。
第一次キャンプブームの時はハイスタイルが一般的なスタイルでした。
ですので長い時間をかけて製品が作られてきた分だけ、安価で実用的な道具が多いので安く自分の好みで揃えやすいのもメリットと言えます。
テーブルを中心にチェアで囲めば複数人での食事などがしやすいので、ソロキャンプだけじゃなくグループキャンプでも対応可能です。
デメリット
道具が重く大きくなりがちなので交通手段が限られてしまうのはデメリットです。
ハイスタイルでキャンプするのなら車は必須の交通手段になります。
座面が高い分、一般的な焚き火台で焚き火をする時に体を伸ばす必要があったり、火を触るときにチェアから離れる必要があります。
ですので焚き火との相性はあまり良くありません。
車を横付けできないキャンプ場だと荷物を何往復も運ぶ必要があるのも不便と言えるでしょう。
こんな場合はハイスタイルがおすすめ
車を交通手段にして、グループでキャンプをすることもある人にはおすすめのスタイルです。
基本ソロだけど時には友達と、アクティブに活動できるスタイルと言えるでしょう。
自宅のリビングを持ち出したような快適さを作り上げることができるスタイルなので、快適さを求めるのならおすすめできます。
ハイスタイルにおすすめのキャンプギア
・クイックセットアップGIコット
ハイスタイルでキャンプするのなら座面が高めのGIコットがおすすめです。
そのままチェアとして使用することもできるので雨の日のおこもりスタイルにも適しています。
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・フレームワーク 3段MOVEラック
ハイスタイルは高さがある分荷物を地面に置くと遠くて不便です。
なので手の届くところにラックを置いておくと使いたい道具をすぐ取れて便利になります。
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ソロキャンプでロースタイルを選ぶメリット・デメリット
次にロースタイルについて解説していきます。
メリット・デメリットを理解して自分に合うスタイルかどうか確認していきましょう。
ロースタイルの特徴
ロースタイルとは膝を曲げ切らない低めの座面のチェアを使用したスタイルです。
足を延ばしながらゆっくりと焚き火を楽しむのに適したスタイルといえます。
メリット
座面が低く焚き火がしやすいので焚き火との相性は最高です。
道具に高さがない分だけ道具が小さく軽くなるので交通手段を自由に選ぶことができます。
工夫すれば全ての道具をザック一個にまとめることもできるので身軽に行動できるのも特徴です。
ローチェアの特徴として足を伸ばして座ることができるのでじっくりと火を触ることができます。
低めのタープでも屋根の下で椅子に座ることができるのもメリットです。
最近は主流のスタイルになっているので比較的安価でカラーやデザイン豊富な中から好きなアイテムを選ぶことができます。
デメリット
軽さと小ささは時にデメリットになります。
道具が小さく軽い分、耐荷重など強度に難がある物も多く、購入する際には注意が必要です。
小さく折りたたむ道具が多いので設営と撤収に手間がかかるのも特徴です。
テーブルが低いので基本的にローチェアに座ったまま調理と食事をすることになります。
座面が低いので立ったり座ったりしにくく、調理や食事の際に不便を感じることもあるでしょう。
こんな場合はロースタイルがおすすめ
バイクや自転車、公共交通機関でキャンプに行くので荷物を小さくする必要がある人におすすめです。
特に焚き火との相性はとてもよく、夜をゆっくりと過ごしたい人に適しているといえます。
座面が低いとはいえ快適性も損なわれておらず、好みにあわせてアレンジしやすいスタイルです。
ロースタイルにおすすめのキャンプギア
・FIRE PROOF 焚き火ウインドスクリーン
座面が低いおかげで視線も低いので陣幕が一枚あるだけでプライバシーが確保できます。
焚き火の暖かさを逃がさないのでゆっくりと焚き火を楽しみたい方におすすめです。
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・AUTEC CAMP COOK PIT
焚き火に適したスタイルにあわせて全ての調理を焚き火でしてみるのもおすすめです。
調理に適応した焚き火台を使うことで焚き火をより楽しむことができます。
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ソロキャンプでお座敷スタイルを選ぶメリット・デメリット
最後にお座敷スタイルについて解説していきます。
メリット・デメリットを理解して自分に合うスタイルかどうか確認していきましょう。
お座敷スタイルの特徴
お座敷スタイルとは椅子のかわりにマットを敷いてそこに座って過ごすスタイルです。
疲れたらその場で横になったり、お座敷感覚で楽しむことができます。
メリット
お座敷スタイルは椅子を持っていかなくてよいので荷物がとてもコンパクトになります。
荷物が減れば当然設営と撤収が早くなるので、身軽なキャンプができます。
シュラフ用のマットをチェアがわりにそのまま使うことが出来るので、いつでも昼寝が楽しめるのも特徴です。
グランドシートを広げれば自分の周りに全ての道具を置けるのですぐやりたいことができます。
お気に入りのラグなどをグランドシートの上に敷けば自分の好きな空間を簡単に作れます。
座面が低いので焚き火の煙を避けやすく、煙に苦しむことも少なくなります。
デメリット
雨が降ると地面が近い分だけ濡れた地面の影響を受けやすいのが特徴的なデメリットです。
対策をしないと道具に土などがついて汚れてしまうので、雨が降るとさらにひどいことになります。
背もたれなく地面に座っているせいで、どうしても腰への負担が増えてしまいます。
地面に熱を奪われてしまうのも特徴で、しっかりと防寒をしないと寒さを感じることも多いです。
焚き火台の方が自分の座っている高さより高くなるので、焚き火をした際に弾けた火が飛んできやすいのも特徴です。
火の粉で衣服に穴が開いてしまったりするので難燃性のウェアを着るなどの対策が必要になります。
こんな場合はお座敷スタイルがおすすめ
一番荷物が小さくなるので公共交通機関でキャンプに行く人におすすめです。
ザックひとつに荷物をまとめて気楽に出かけることができます。
道具の選択次第で男前にもかわいくもアレンジ可能です。
お座敷スタイルにおすすめのキャンプギア
・フラットスペース
世にも珍しい足のないテーブル。
お座敷スタイルだと場所を選ばず使用できます。
下に薪を2本並べれば高さを出すことも可能です。
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・バスタブ型グランドシート
サイドが立ち上がっているバスタブ型グランドシートなら荷物の汚れを大幅に軽減できます。
石や土だけでなく地面を移動する虫の侵入も防ぎます。
アクティブなキャンプを楽しみたい方におすすめです。
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まとめ
今回はソロキャンプのスタイル別の楽しみ方を解説させていただきました。
どのスタイルにも良さがあることがおわかりいただけたと思います。
交通手段でスタイルの適正は大きく変化します。
それぞれのメリット・デメリットを理解して自分にあったスタイルを選びましょう。