近年はアウトドアブームの影響もあり、主要キャンプ場は予約が困難となりつつあります。
他人の気配がない大自然で、思い切りひとりの時間を楽しみたいと考えている方におすすめな方法が、野営地で過ごすことです。
- 日本で野営できるところはあるの?
- 野営地はどうやって探す?
- 野営地で過ごすときの注意点とは
ここでは野営に挑戦したいと考えている方へ、上記3つのポイントから、野営地の探し方や過ごすときの注意点を紹介します。
野営できる場所
日本国内でも、その土地や持ち主、国などが定めたルールを守れば、野営を楽しめる場所を見つけられます。
ただし、中には法的にグレーな場所や、利用するときはいくつか注意しなければならないことがある場所も多いため、何の準備もなく野営を始めることは避けましょう。
まずは野営地として利用できる主な場所を3つ紹介します。
国や自治体が管理する共有地
日本の土地は私有地と共有地に分かれており、管理者や所有者が異なります。
国や自治体が管理している共有地であれば、野営地として利用できる場合があります。
ただし国立公園や国定公園など、自然公園法で規制されているところは避けなくてはならない点に注意しましょう。
また、自由に使える共有地でも、管理している自治体などが独自に条例で野営、焚火などを禁止していることも少なくないため、事前確認が必要です。
利用を検討している共有地があるなら、事前に自治体へ野営の可否や関連する条例はないか問い合わせておくと、トラブルを避けられます。
河川敷
河川敷は河川法によって、誰の所有地でもなく、公共の場所として利用できることが明示されています。
更に野営地らしい環境を味わうなら、街に近い河川敷よりも山奥の河川敷を選ぶと良いでしょう。
場所によっては川釣りを楽しめたり、水を手軽に確保できたりと河川敷ならではのメリットも多いのが特徴です。
ただし共有地と一緒で、一部の河川敷は国立公園などの中に含まれていたり、地域独自のルールで野営が禁止されていたりと、なんらかの制限が存在する可能性はあります。
地図などで国立公園などの敷地内に入っていないか、事前に調べておくと安心です。
また、釣りは許可がいる場所や有料となっている場所もあるため、川釣りを考えている方は「釣りの許可証は必要なのか」「どこで手に入れるのか」も調べておきましょう。
河川敷は天気や環境に安全性が大きく左右されるため、増水や土砂崩れのリスクが少ない場所を選ぶことも重要です。
持ち主から許可を得た山林などの私有地
リアリティを求めるなら、やはり山林がおすすめです。
街から離れた場所なら人の気配が少なく、電車などの騒音も届きにくいため、ゆったりとした時間を過ごせます。
山林での野営で注意したいのが、私有地に無断で立ち入っていないかどうかです。
山まるごと所有しているケースは稀で、基本的に複数人の所有者が区画を分けて所有しているため、共有地のつもりでも私有地に立ち入っている可能性があります。
あらかじめ該当する区画の持ち主を調べて許可を得たうえで、野営地として活用しましょう。
ちなみに、私有地は消防法的に問題がなければ、持ち主がルールを決めることもできる土地です。
他人の山林を許可を得て借りる場合は、トラブル防止のためにあらかじめ決まり事を聞いておくことも重要です。
野営地の探し方は5パターン
前述したような野営地を探す方法は、大きく分けると5パターンあげられます。
- ブログ・SNSを参考にする
- 口コミを探す
- Google Mapで調べて実地調査する
- 本や雑誌を参考にする
- 所有者に相談する
各方法の詳細について解説していきます。
ブログ・SNSを参考にする
もっとも手軽なのは、野営を楽しんでいる人のブログや、SNSを情報源とする方法です。
特定のブロガーや人気YouTuberなどのコンテンツから場所を参考にするか、あらかじめどこかの地域に目星をつけておいて、実際にそこで野営した人はいないか探してみる2通りの方法があります。
場所ありきで調べるときは、「場所名+野営」などで検索してみると良いでしょう。
GoogleではYouTube動画も一緒に検索できるため、効率良く探せます。
口コミを探す
ブログ・SNSを参考にする方法と同じで、あらかじめ場所に目星をつけておいてから口コミを探す方法も手軽です。
たとえば河川敷や公園など、施設としてインターネット上に紹介されている場所は、公園紹介メディアもあるため口コミが見つかりやすくなっています。
野営経験者の口コミの他に、家族連れなど第三者の口コミもあるため、「子どもや家族連れの利用者が多い=危険なので火を使いにくい」など利便性を予測できるメリットがあります。
Google Mapで調べて実地調査する
「とにかく人が少ない場所で野営したい、誰も来ないような場所が良い!」という方におすすめの方法が、Google Mapを活用して自力で野営地を探すことです。
Google Mapで大まかな場所に目星をつけておき、実地調査をしてみて野営は可能かどうか判断します。
周辺の道路や人家なども航空写真やナビゲーションを駆使すれば、広範囲にチェックできます。
そのため人が少ない場所、穴場を見つけやすいメリットがありますが、注意しなければならないのが私有地に知らずに入り込んでしまうことです。
また、事前に実地調査する点も考慮すると、遠方での実践は難しいのではないでしょうか。
どうしても遠方で野営したいのであれば、旅行や仕事で遠出したときに、野営地候補を探して絞り込んでおくのも良いでしょう。
本や雑誌を参考にする
近年は有名人やYouTuberの影響もあり、ソロキャンパー向けの本や雑誌が多く出版されています。
中には野営経験者の体験本もあり、実際に野営した場所の情報を手軽に知ることができます。
野営地の失敗談や注意しておくこと、準備しておくと良いものなど、場所の詳細以外にも参考にできる情報が多い点も大きなメリットです。
代表的な本は、以下の一冊があげられます。
・「サバイバル登山入門」著者:服部文洋 出版社:デコ
人気のYouTubeチャンネルを持つ、サバイバル登山家としても有名な著者が、実際の野営経験を語った本です。
著者は大学時代にワンダーフォーゲル部に所属し、登山家としても山岳雑誌編集者としても活躍しており、専門知識が豊富なため、安心して本の情報を参考にできます。
スマホで手軽に読める電子書籍タイプも発行されているうえ、本文では体験した野営地の情報もこまかく掲載されているため、手軽に情報を入手したい方は参考にしてはいかがでしょうか。
ただし出版が2014年であり、一部の情報は古い可能性がある点は考慮しておきたいところです。
所有者に相談する
知り合いや親戚に山林所有者がいるのであれば、野営できそうなスポットはないか聞いてみましょう。
管理に消極的な持ち主なら、簡単な手入れなどを条件に山林を貸してくれる場合があります。
知り合いのツテで見ず知らずの相手から借りる場合は、知り合いに同行してもらい、危険な真似はしないことを丁寧に説明したうえで借りることがポイントです。
山林を個人から借りる場合で注意したいのが、境界線が曖昧なケースや、管理が行き届いていないケースが多いことです。
うっかり他人の境界内で野営すれば不法侵入となり、トラブルに発展する危険があるため十分に注意しましょう。
また、管理が行き届いていなければ風倒などの事故のリスクも想定されるため、事前に境界の確認や環境の下見をしておく必要もあります。
野営するときの注意点
野営地の候補が見つかったら、次はトラブル回避のために事前対策をしておきましょう。
問題なく野営を楽しむためには、上記の野営地の探し方などでそれぞれ触れた注意点の他にも、気を付けるべきポイントがあります。
ここでは野営地を探したり、利用したりするときの注意点を3つ紹介します。
情報は常に最新のものを確認しておこう
野営地の情報に限らず、訪問先の情報は常に最新のものを得るようにしてください。
たとえば世界情勢の変化や一部のマナー違反者の影響などで、キャンプ場が閉鎖されているケースは少なくありません。
野営地も「以前は利用できたが、今年から所有者が変わって利用不可となった」という可能性などが考えられます。
また、天候の影響で地形や環境が変わってしまい、安全性の問題で利用できなくなっている野営地もあるでしょう。
無駄足に終わらないことはもちろん、安全に野営を楽しむためには、最新の情報を得ることが大切です。
特にブログやSNS、口コミや本の情報を頼りに野営地を探す場合は、何年も前のものをそのまま参考にするのではなく、情報をもとに場所の候補を絞り込む程度にしておくことをおすすめします。
最新の情報は、また別のメディアや手段で手に入れておくと安心です。
本当に野営できる環境か確認しておこう
法律やルール的に野営すること自体に問題がなくても、環境的に難しいケースはあります。
たとえば以下の危険はないか、実地調査やGoogleストリートビューなどで確認しておくことが重要です。
- 近隣や上流にダムはないか
- 砂防壁の下側・下流に位置していないか
- 増水や土砂崩れの前例はないか
- その他自然災害の危険はないか
一見すると丈夫そうな崖も、連日の雨で地盤が緩んでいれば、滑落するリスクはあります。
野営を行う場所を含めて、周辺の環境や天気もしっかりと下調べしておかなくては、トラブルに見舞われかねません。
また、万が一危険に見舞われたときに自分の命を守れる装備はあるか、現地に持ち込めるかも確認しておきたいポイントです。
キャンパーとしてのマナーを守って利用しよう
野営を楽しむうえで重要なのが、キャンパーとしてのマナーを守って利用することです。
キャンプ場のように明確な利用ルールや手続き方法がない場所も多いからこそ、以下の点に注意して利用してください。
- ゴミを残さない・忘れない
- 火の扱いと後始末に注意する
- 自然を壊さない
- 人に迷惑をかけない
野営するうえで意識したいのが、「そこで野営したことが第三者に分からないほど、きれいな状態にして帰る」ことです。
ゴミを残さないことはもちろん、直火を避けるなど、自然そのままの姿や環境を壊さないことも重要です。
また、土地の所有者や近隣住民、後からその場所で野営を楽しむ人など、周囲の人に迷惑をかけない配慮も求められます。
もっと手軽に野営したいなら山林レンタルがおすすめ
自然公園法や私有地・自治体独自の条例などを考えると、自力で野営地を探し出して利用するのは難しいのが現実です。
せっかく見つけたとしても、所有者との交渉で失敗する可能性や、地元住民とトラブルになるリスクもあります。
そういった面倒を回避しつつ手軽に野営を楽しみたいなら、山林レンタルのサービスを利用してはいかがでしょうか。
山林レンタルとは、所有者に一定の料金を支払って山林の一部を合法的に借りることです。
所有者側は一定の収入が得られるうえ、あらかじめ用途を理解したうえで貸し出す安心感があるため、個人で直接交渉するよりも気持ち良く貸してくれます。
個人で山林を購入する方法も最近は人気ですが、管理や税金などの煩わしさを考えると、利用したいときだけ利用できる山林レンタルのほうがメリットは大きいでしょう。
YAMAKAS(ヤマカス)では、所有者とキャンパーのマッチングサービスを提供しています。
趣旨に納得して、山林レンタルに積極的な所有者がYAMAKAS(ヤマカス)サイトに山林情報を提供しているため、安心して山でのキャンプを好きなときに楽しんでいただけます。
区画ごとの貸し出しとなっており、事前に現地見学も行うため、環境や条件に納得したうえで借りられる点も好評いただいています。
気になる山林が見つかったら、ぜひ一度YAMAKAS(ヤマカス)へ現地見学をお申込みください。
まとめ
野営地はインターネット上の口コミやブログ、動画などを参考にすれば、誰でも手軽に見つけられます。
ただし見つかった情報が古く、現状とは大きく変わっている可能性や、無意識のうちに私有地へ不法侵入してしまっている可能性に注意しなくてはなりません。
合法的に安心して野営できる場所を見つけたいなら、山林レンタルサービスがおすすめです。
YAMAKAS(ヤマカス)で掲載している山林情報は、所有者がソロキャンパーへの貸し出しを納得したうえで提供されています。
気になる山林は現地見学もしていただけますので、まずはぜひお問い合わせください。