山林の売買や管理に関する書類の役割と取得方法まとめ

山林を売買したり相続したりするときは、トラブルを回避するために用意しておくべき書類がいくつかあります。

  • 山林の売買や管理に必要な書類とは
  • 各書類がもつ役割とは
  • 各書類を取得する方法とは

今回は、上記3つのポイントを中心に、山林の売買や管理において必要となる書類について解説します。

山林の売買や管理に関する書類

山林も宅地と同じく、売買したり相続したりできます。

宅地と山林の違いで多いのが、「どこからどこまで所有する土地なのか分からない」「実際に現地へ行ったことがない」という問題ではないでしょうか。
山林はひとつの山をまるごと所有するケースよりも、一部の土地を所有していることが多いため、宅地と違って境界や詳しい場所が分からない方も少なくありません。

売買するにしろ、管理するにしろ、所有している山林の詳しい情報を確認しておく必要があります。
そこで欠かせないのが、以下の4種類の書類です。

  • 森林簿
  • 森林計画図
  • 公図
  • 地籍図

これらの書類について、それぞれの役割と取得方法を紹介します。

森林簿の役割と取得方法

森林簿とは、各都道府県が作成した、森林資源に関する書類です。

主に以下の内容が記録されています。

  • 植生している樹木の種類
  • 材積(樹木の体積)
  • 林齢(林の年齢、成長量)
  • 所有者名
  • 所在地

ただし現地で直接確認したわけではなく、聞き取りや空中写真による間接調査のため、詳しい境界やリアルタイムの状況は分かりません。
森林簿の写しを取得したり、閲覧したりする場合は、山林のある自治体の市町村役場あるいは森林組合で所定の手続きが必要です。

申請先は「農林水産部」「林務課」「振興事務所」「農林事務所」「林業課」と役場によって多少名称が異なる場合もあるため、事前に問い合わせておきましょう。
問い合わせ時に必要書類についても質問しておくと、手続きがスムーズに終えられます。

ちなみに郵送での取得も可能ですが、申請先が市町村役場ではなく都道府県庁となる点に注意してください。

林野庁が提示している交付手数料は、A4サイズで1枚あたり10円(フルカラーは20円)ですが、地域によってはDVD-ROMなど電子媒体にも対応しており、費用が異なります。

森林計画図の役割と取得方法

森林簿の情報に対応しているのが、森林計画図です。

森林計画図は森林を管理したり施業計画を建てたりする目的で、都道府県が作成しています。
1/5,000の地形図となっており、記載されている主な情報は以下のとおりです。

  • 行政区界
  • 林小班界
  • 林道
  • 植生している樹木の種類
  • 所有形態

森林簿では樹木の種類や成長具合などしか分からないのに対して、森林計画図は樹木の種類ごとなど、細かな範囲も分かるのが特徴です。

閲覧や取得したいときは、都道府県庁や森林組合の他、市町村役場の「農林水産部」「林務課」「振興事務所」「農林事務所」「林業課」に申請しましょう。
地域によってはインターネット上で自由に閲覧、印刷できるようになっているところもあります。

林野庁が提示している交付手数料は、A4サイズで1枚あたり10円(フルカラーは20円)から、A0サイズ1枚あたり160円(フルカラーは360円)まで、大きさによって変わります。

交付方法や地域によって多少異なる場合もあるため、事前に問い合わせておきましょう。

公図の役割と取得方法

公図は土地台帳や登記簿に付属している書類で、山林の課税に対して、課税額などの根拠となる情報が記載されています。

土地の地番や区画を明確にするための書類ですが、元となる情報が明治時代に地域住民によって検地測量、図面作成されたもののため、多少正確性に欠けています。

当時の測量技術が未熟であったことに加えて、課税額を安く抑えるために住民が実際よりも狭い面積で報告している場合があるためです。
細かな面積は正確性が疑わしい一方で、曲線や直線、所有地の大まかな位置、隣接者を知る資料としては十分に役立っています。

公図の取得方法は、法務局の登記所で直接申請するか、オンライン申請の2種類です。
一般社団法人民事法務協会の「登記情報提供サービス」で閲覧、取得することもできますが、こちらは公的なものとしては使用できない点に注意してください。

法務局で取得する場合は申請書に必要事項を記入して、手数料430~450円(申請、受取方法によって異なる)を納付します。

地籍図の役割と取得方法

公図の曖昧性を補うために作成されたのが、地籍図です。

地籍図は、国土交通省の管轄で公的に行われた地籍調査にもとづいて、各市町村で作成されています。
似たような書類に地籍測量図がありますが、まったくの別物です。

地籍図には境界や土地の形状などが、正しい縮尺で記載されます。

調査後に法務局へ地籍図が送られれば、公図の曖昧な情報を補い、登記簿を修正することも可能です。
修正された情報をもとに、山林の固定資産税も正しいものに変えられます。

地籍図を取得する方法は、各市町村役場で事前申請を行ったうえで閲覧もしくは取得します。
地域によって「固定資産税課」「総務課」など申請先が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

閲覧、取得にかかる手数料も、地域ごとに異なっています。

たとえば福島県の鮎川村では1枚あたり200円(1区画追加するごとに100円加算)、千葉県市原市では1枚あたり300円(閲覧30分ごとに300円)です。

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山林の売買や管理でトラブルを避けるためには、まず山林の状況や境界、面積、形状、位置などを明確にする必要があります。
そこで参考となるのが、「森林簿」「森林計画図」「公図」「地籍図」といった公的な書類です。

各書類は作成された経緯や記載されている内容が異なるため、目的に応じて利用しましょう。

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